ゲームとパンツと黒鴉と……

第三者Side

♪~♪~

「……武器相場に変化なし、か……」

千束達が無事にショッピングモールに辿り着いた頃、趣味の演歌を聴きながら、クルミはノートパソコンで現在の武器の相場価格について、調べていた。

ガラッ!!

「………てめえ、何してんだ?」

「……見てわからんか?風呂だ。」

ドスの効いた声でそう言いながら浴室に顔を出したミズキに対し、クルミは湯船に浸かりながら平然とそう答える。

尚、ノートパソコンは湯船に落ちないように設置した板の上に置かれている。

バッシャーーーンッ!!

「アホかぁっ!!営業中だぞぉぉぉっ!!!」

対するミズキはそう怒鳴りながら、ノートパソコンごとクルミを湯船から引っ張り出した。





ブオオオオオッ!!

「あぁ~~~」

「で、相場に変化がないから何だってのよ?」

その後、下着姿で扇風機の前で髪を乾かすクルミに対し、ミズキは腕組みしながらそう尋ねる。

「……例の銃が闇市場には撒かれてないってことだよ。だから、この筋じゃ追えない。っと……」

対するクルミはそう答えながら、扇風機の風で軽く仰向けに倒れ込む。

「千丁も銃をガメてどうすんだ?
腕は二本しかないのよ?」

「五百人の兵隊でもいるんじゃないか?」

「軍隊か!
そんなのDAが見付けない訳ないっしょ。」

「若しくは例のホワイトファングっていう謎の組織に流れたか……」

そんななか、千束達や別件で出ている梨紗達の代打として、便利屋68の仲間と共に手伝いに来ていた、黒い着物姿のカヨコがそう言いながらその場に現れる。

「もし、そうなら尚更悪いわ!!」

「クルミ。前にアコから聞いたんだけど、例の銃取り引きの現場の画像の解析はあんたがやってるって本当?」

「あぁ、現在いまでもWNウォールナットに解析させてるよ。」

「?ウォールナットって……あんたじゃん。」

「『ウォールナット』はボクが使っているAIの名前。画像から取り引き現場をVRで再現させてるから後で潜ってみる。」

「ほ~~~ぅ……」

「なるほど……つまり『ウォールナット』の名はそのAIと共に引き継がれる世襲制の名前ってことか……どうりで何度も死ぬ・・・・・訳だ……」

ウォールナットボクのことを知ってたか……流石は元ファーストリコリスのエースだな……」

「まぁ、噂程度だけどね。」

「ところでカヨコ。あんた、用事があったんじゃないの?」

クルミと軽くそう話しているカヨコに対し、ミズキは腕組みしながらそう尋ねる。

「そうだった。ミズキ、クルミ。先生が出掛けたから店の方を手伝って。」

「ミカが?珍しいわね、店を空けてくなんて……」

「厨房はどうするんだ?
担当の梨紗も夕陽もイチカも居ないぞ。」

ミカが出掛けたということにミズキが首を傾げながらそう言うなか、クルミは仰向けに倒れ込んだままそう尋ねる。

「三人ほどじゃないけど、私も便利屋68うちの社長もそれなり出来るから。レシピさえあれば。あと、ミズキに見てもらえれば……」

「了〜解。よろしく頼むわねぇ。」

「コーヒーの方はどうするんだ?」

「そっちも大丈夫。就職する際、最低限の知識と技術は身に付けてるから。」

「本当、安全確保のために便利屋68カヨコ達が近くに引っ越してきてくれて助かるわぁ……あんたもさっさと着替えてくんのよぉ。リコリコうちの主力共は夕方まで帰ってこないんだから……」

「あぁ~いよ……」

「これが例の銃取り引きの現場か……」

ミズキがそう言いながら部屋を出ていき、クルミがそう言いながら起き上がるなか、カヨコはそう言いながらノートパソコンに映し出されている現場の画像を覗き込む。

「ん?クルミ。ちょっとこいつ・・・を拡大して見せてくれない?」

「?こいつがどうかしたかぁ?」

「……何処かで見たことあるような……」

「なんだぁ?リコリス時代に取っ捕まえた凶悪犯かぁ?」

「それはない。あの頃に私が捕まえた奴はとっくに消されてる筈だから……」

「へぇ……やっぱり恐ろしい所だな、DA………」

「でも……何処かで見たことある気がするんだよなぁ……」

クルミとそう言いながら眺めるカヨコの視線の先には例の作業着にグラサン姿の男達や緑のボサボサした髪に黒いコート姿の男よりも更に奥で佇む、ぼろぼろのフード付きマントに骸骨のようなデスマスクを付けた高身長の男が写りこんでいた。
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