プロローグ
DA本部、司令室・・・
「ーーー報告は以上です。楠木司令。」
「ふむ、概ね予想通りの結果だな。
今回もやむを得ず最新兵器を破壊するに至った訳だが、こちらや民間に被害が出るのを事前に防げたのは喜ばしい……
フキからも伝言で伝えさせたが梨紗。よくやったな……」
一時間後、司令室にて、フキから改めて報告を受けた楠木司令は隣にいる梨紗にそう労いの言葉をかける。
「……『非常時における破壊』の許可を出して頂いた司令の英断と、ここにいる皆の協力のおかげです。
こちらこそ、ありがとうございます。」
対する梨紗は畏まりながらそう言い、頭を下げる。
その後ろにはエリカとヒバナ、たきなの三人が緊張した面持ちで待機している。
「今日はやけに畏まってるな。新しい顔がいるからか?」
そんな梨紗に対し、楠木司令はたきなを見ながらそう言って揶揄 う。
「……ちっ……」
「え?」
「ちょっ……」
「梨紗っ!?」
対する梨紗は徐に舌打ちするや否や壁に寄りかかり、腕を組みながら睨むような視線を投げかける。
「はぁ~……」
「また、やっちゃった……」
そんな梨紗の姿にヒバナとエリカは肩を落としながらそう言う。
「え?え?」
「気にするな、たきな。これがいつもの光景だ。」
「はぁ……いつもながら申し訳ありません。楠木司令。」
困惑しているたきなにそう説明する楠木司令に対し、フキはため息を吐きながらそう言う。
「構わん。こいつの私に対する態度は今に始まったことじゃないからな。」
「はぁ……」
「にしても、随分とぼろぼろになったな。
見たところ、外傷はないようだが……」
「はい、今回のは今までよりは厄介な代物だったので……」
「報告書でも確認したが……ほぼ全身が武器の戦車級のロボット兵か……
弱点と対物ライフルがあったとはいえ、よくそれだけの被害で済んだものだ………」
改めて報告を一瞥した後、楠木司令はぼろぼろになった制服を見ながらそう言う。
「……最新兵器について知っているのは私だけ。
撃破するプロセスが見えたから動いただけよ。」
「梨紗!」
早くも敬語をやめた梨紗に対し、フキは若干語尾を強めながらそう呼びかける。
「………」
「はぁ……楠木司令。
毎度の失礼の後で申し訳ないのですが、梨紗の新しい制服をお願いできませんか?」
「それなら既に用意している……」
「……どうぞ。」
申し訳なさそうにそう言うフキに対し、楠木司令がそう言った瞬間、近くにいた秘書官がそう言いながら梨紗に新しい制服を手渡す。
「!?これは……っ!?」
「「「!?」」」
「………」
秘書官が梨紗に手渡した、自分と同じ赤い制服を見てフキはそう困惑の声を上げる。
エリカとヒバナ、たきなの三人も同じように驚愕する。
「いつまでもぼろぼろなのは嫌だろう?
隣の部屋が空いているから着替えてくるが良い。」
「………」
そんななか、楠木司令にそう言われた梨紗は何も言わずに一旦退室する。
数分後、フキと同じ赤い制服に身を包んだ梨紗が戻ってくる。
「これまでの功績を称えて梨紗。
おまえをファーストに昇格させる。」
「……どうも。」
直後にそう辞令を告げる楠木司令に対し、梨紗はぶっきらぼうにそう言う。
「本当にファーストに上がった……」
「びっくりだね……」
「会ったばかりですが………おめでとうございます。」
エリカとヒバナが目を丸くしながらそう言うなか、たきなはそう祝福の言葉を送る。
「!…身内以外から祝われるのは久しぶりね……ありがとう。」
対する梨紗は一瞬だけ呆けるもののすぐさまそう返す。
その時の表情は僅かながらに緩んでいた。
「ーーー報告は以上です。楠木司令。」
「ふむ、概ね予想通りの結果だな。
今回もやむを得ず最新兵器を破壊するに至った訳だが、こちらや民間に被害が出るのを事前に防げたのは喜ばしい……
フキからも伝言で伝えさせたが梨紗。よくやったな……」
一時間後、司令室にて、フキから改めて報告を受けた楠木司令は隣にいる梨紗にそう労いの言葉をかける。
「……『非常時における破壊』の許可を出して頂いた司令の英断と、ここにいる皆の協力のおかげです。
こちらこそ、ありがとうございます。」
対する梨紗は畏まりながらそう言い、頭を下げる。
その後ろにはエリカとヒバナ、たきなの三人が緊張した面持ちで待機している。
「今日はやけに畏まってるな。新しい顔がいるからか?」
そんな梨紗に対し、楠木司令はたきなを見ながらそう言って
「……ちっ……」
「え?」
「ちょっ……」
「梨紗っ!?」
対する梨紗は徐に舌打ちするや否や壁に寄りかかり、腕を組みながら睨むような視線を投げかける。
「はぁ~……」
「また、やっちゃった……」
そんな梨紗の姿にヒバナとエリカは肩を落としながらそう言う。
「え?え?」
「気にするな、たきな。これがいつもの光景だ。」
「はぁ……いつもながら申し訳ありません。楠木司令。」
困惑しているたきなにそう説明する楠木司令に対し、フキはため息を吐きながらそう言う。
「構わん。こいつの私に対する態度は今に始まったことじゃないからな。」
「はぁ……」
「にしても、随分とぼろぼろになったな。
見たところ、外傷はないようだが……」
「はい、今回のは今までよりは厄介な代物だったので……」
「報告書でも確認したが……ほぼ全身が武器の戦車級のロボット兵か……
弱点と対物ライフルがあったとはいえ、よくそれだけの被害で済んだものだ………」
改めて報告を一瞥した後、楠木司令はぼろぼろになった制服を見ながらそう言う。
「……最新兵器について知っているのは私だけ。
撃破するプロセスが見えたから動いただけよ。」
「梨紗!」
早くも敬語をやめた梨紗に対し、フキは若干語尾を強めながらそう呼びかける。
「………」
「はぁ……楠木司令。
毎度の失礼の後で申し訳ないのですが、梨紗の新しい制服をお願いできませんか?」
「それなら既に用意している……」
「……どうぞ。」
申し訳なさそうにそう言うフキに対し、楠木司令がそう言った瞬間、近くにいた秘書官がそう言いながら梨紗に新しい制服を手渡す。
「!?これは……っ!?」
「「「!?」」」
「………」
秘書官が梨紗に手渡した、自分と同じ赤い制服を見てフキはそう困惑の声を上げる。
エリカとヒバナ、たきなの三人も同じように驚愕する。
「いつまでもぼろぼろなのは嫌だろう?
隣の部屋が空いているから着替えてくるが良い。」
「………」
そんななか、楠木司令にそう言われた梨紗は何も言わずに一旦退室する。
数分後、フキと同じ赤い制服に身を包んだ梨紗が戻ってくる。
「これまでの功績を称えて梨紗。
おまえをファーストに昇格させる。」
「……どうも。」
直後にそう辞令を告げる楠木司令に対し、梨紗はぶっきらぼうにそう言う。
「本当にファーストに上がった……」
「びっくりだね……」
「会ったばかりですが………おめでとうございます。」
エリカとヒバナが目を丸くしながらそう言うなか、たきなはそう祝福の言葉を送る。
「!…身内以外から祝われるのは久しぶりね……ありがとう。」
対する梨紗は一瞬だけ呆けるもののすぐさまそう返す。
その時の表情は僅かながらに緩んでいた。