千束・たきな・ノア・アコ・翼・奏・緒川Side

バババッ！！バババッ！！

「きゃあっ！？」

「うわぁっ！？」

その頃、アコの運転する多目的ワゴン車で移動中の千束達の方では銃声が車内に響き渡り、車体が大きく揺れる。

「ちょっ、アコさん！もしかして！！」

「ッ……銃撃されてます！防弾仕様なので破られる心配はありませんが……」

「停まっている余裕はありません。信号のコントロールはしますので、千束さんとたきなさんは迎撃をお願いします。」

「ッ……やるしかないですね……っ！！」

「アコさん、運転頼んだよぉー？」

パソコンを操作しながらそう言うノアの言葉に、たきなと千束はそう言いながら新生M&Pと新生デトニクスを取り出し構える。

「クルミさん、聞こえますか？」

『あぁ、聞こえてるぞ。』

そんななか、ノアはクルミと連絡を取る。

「信号の制御・防衛はこちらでしますので、クルミさんは逆探知をお願いします。」

『相手のハッカーを特定しろってか！？』

「無論、攻撃の手が止めば、こちらからも仕掛けます。手を引かせることができれば、追跡を振り切りやすいです。」

『……逆にこちらが探知される可能性があるんだが？』

「クルミさんの周りのネットワークは既にFドック製のセキュリティにしてありますので、その点はご安心下さい。」

『いつの間に……わかった……逆探知は任せろ……』

「よろしくお願いします。」

そんななか、交差点に差し掛かり、アコの運転する多目的ワゴン車は右折する。

直後、ノアの制御（コントロール）によって信号はすぐさま赤に切り替わる。

ガシャンッ！！

が、追跡車はその赤信号を無視し、対向車線の左折しようとする車を押し退けながら追ってくる。

「うわっ、本気（ガチ）じゃん……！！」

「上のハッチを開けます。そこから銃撃を。」

「わかりました。」

ウィィ……

ノアがそう言った直後、天井の一部が開き見晴らしが良くなる。

「いくよ。たきな……っ！！」

「はい……っ！！」

ドォンッ！！ドォンッ！！ドォンッ！！

パァンッ！！パァンッ！！パァンッ！！

千束とたきなは開いた天井から身を乗りだし、応戦を始める。

「な、なぁ、本当に大丈夫なんだよな……っ！？」

そんな光景に翼と一緒に縮こまりながら、奏はそう尋ねる。

「当たり前ですっ！！」

「大抵の重火器は効きませんっ！！それこそ、ロケットランチャーを持ち出さなければ……」

「って言ってる側からぁーっ！？」

「っ……」

千束の叫びにアコはサイドミラーを確認する。

複数の追跡車の中にある一台のワゴン車。そこから身を乗り出した一人の黒服は構えていたのは紛れもないロケットランチャーだった。

「ノアさんっ！！」

「はいっ！！」

黒服が構えてきたロケットランチャーを見て、そう言うアコにそう答えながらノアはパソコンを操作する。

次の瞬間、多目的ワゴン車の側面から金属片が光を反射して、輝きながらばら蒔かれていく。

ボシュッ！！

「撃たれたぁ～～っ！！？」

そんななか、黒服が構えたランチャーからロケット弾が千束達の乗っている多目的ワゴン車に向かって、射出された。