復活の歌姫
「……で、貴女達はどうするの?リコリス。」
「「「?リコリス?」」」
そんななか、イチカと来弥を軽く睨みながらそう言うカヨコの『リコリス』という単語にアルとムツキ、ハルカの三人は首を傾げる。
「……かつてのエースとまた会えて嬉しいッスよ。まさか、こんな所にいたんスね。」
「………こんな所 ってなに?仲正イチカ。」
イチカの言葉にカヨコは更に目を細めながらそう言う。
「あぁ、別に悪い意味じゃないッスよ。想像していなかった、という意味ッス。それはそれとして、私のことを知ってるんですね。」
「訓練を誰よりも速くクリアし、技術もすぐに覚える。それでいてキレると手に負えない『天才』……そう忘れられないくらい、強く印象に残ってるよ。」
薄く目を開けながらそう言うイチカに対し、カヨコは真剣な表情でそう言う。
「そうッスか……」
「話を戻すけど、どうする?仲正イチカ。」
「そうッスね……通常なら捕縛して突き出す所ッスけど……」
「ッ……」
イチカの言葉にカヨコは自身のH&KP30に手を掛ける。
「あぁ、安心して下さい。そこの二人と共闘するという借りができたんで、今回は見逃すということで貸し借りはなしにするってことでどうッスか?」
「………社長。」
「そっちの事情はよくわからないけど、良いわ。それで手を打ちましょ。私達も確かめなきゃいけないことができたしね。」
「なぁーんか今回、私達もハメられたっぽいしねぇ……」
「で、ですね……」
「……これ、私と社長が倒した黒服達を捕縛してある座標 。クリーナーに言って回収するなら早めの方が良い。」
カヨコはそう言いながら座標を記したメモ紙を来弥に手渡す。
「はい。ありがとうございます。」
「それじゃあ、他のリコリスが来る前に早く退散するッスよぉ~。」
「行くわよ。皆。」
「は、はい。アル様。」
「まったねぇ~。」
「………アコにもよろしく。」
「え?」
去り際にカヨコが口にしたアコの名前にイチカは思わず目を見開く。
ブロロロロロッ!!
そんなイチカを尻目に便利屋68を乗せたワゴン車は走り去っていった。
(何故、カヨコ先輩がアコさんのことを……)
「イチカ先輩。私達はどうしましょうか?」
イチカがそう思案するなか、来弥がそう話しかけてくる。
「来弥はとりあえず黒服達の捕縛を。」
「?イチカ先輩は?」
「私はさっきからそこで高みの見物をしている人 の相手をするッスよ。」
首を傾げながらそう尋ねる来弥に対し、イチカはそう言いながらコンテナの上を見上げる。
「!?」
「………」
すると、コンテナ上に中国系統の少年、五飛の存在を確認する。
(なっ!?全く気配を感じなかった……っ!?)
「フン……」
五飛の気配を感じ取れなかったことに来弥が困惑するなか、五飛は鼻を鳴らしながら青龍刀を手に飛び降りてくる。
それを見て、イチカも来弥から離れて、少し開けた場所へと移動する。
(青龍刀に中国拳法の胴着………上は脱いでインナーだけど、鍛えられた身体………この男、出来るッスね……)
「おい。女。」
「……随分と乱暴な物言いッスね。それじゃあモテないッスよ?それに先ずは自分から名乗るのが筋ってもんじゃないッスかね?」
「俺は張 五飛 。俺に女と弱い者と戦う気はない。」
「なら、さっさとーーー」
「だが、貴様の動きは目を見張るものがある。流石は『朝鳴』が認めた女だ。」
「ッ!?」
(この男、『朝鳴』を知っている!!?)
「貴様の力、確かめさせてもらうぞっ!!」
五飛が口にした『朝鳴』の名前にイチカがそう思いながら困惑するなか、五飛はそう言いながら青龍刀を構える。
「ッ!!」
(やるしかないッスね……っ!!)
対するイチカはそう思いながらソードを構える。
ガキィィィンッ!!
次の瞬間、五飛の青龍刀とイチカのソードがぶつかり合った。
「「「?リコリス?」」」
そんななか、イチカと来弥を軽く睨みながらそう言うカヨコの『リコリス』という単語にアルとムツキ、ハルカの三人は首を傾げる。
「……かつてのエースとまた会えて嬉しいッスよ。まさか、こんな所にいたんスね。」
「………
イチカの言葉にカヨコは更に目を細めながらそう言う。
「あぁ、別に悪い意味じゃないッスよ。想像していなかった、という意味ッス。それはそれとして、私のことを知ってるんですね。」
「訓練を誰よりも速くクリアし、技術もすぐに覚える。それでいてキレると手に負えない『天才』……そう忘れられないくらい、強く印象に残ってるよ。」
薄く目を開けながらそう言うイチカに対し、カヨコは真剣な表情でそう言う。
「そうッスか……」
「話を戻すけど、どうする?仲正イチカ。」
「そうッスね……通常なら捕縛して突き出す所ッスけど……」
「ッ……」
イチカの言葉にカヨコは自身のH&KP30に手を掛ける。
「あぁ、安心して下さい。そこの二人と共闘するという借りができたんで、今回は見逃すということで貸し借りはなしにするってことでどうッスか?」
「………社長。」
「そっちの事情はよくわからないけど、良いわ。それで手を打ちましょ。私達も確かめなきゃいけないことができたしね。」
「なぁーんか今回、私達もハメられたっぽいしねぇ……」
「で、ですね……」
「……これ、私と社長が倒した黒服達を捕縛してある
カヨコはそう言いながら座標を記したメモ紙を来弥に手渡す。
「はい。ありがとうございます。」
「それじゃあ、他のリコリスが来る前に早く退散するッスよぉ~。」
「行くわよ。皆。」
「は、はい。アル様。」
「まったねぇ~。」
「………アコにもよろしく。」
「え?」
去り際にカヨコが口にしたアコの名前にイチカは思わず目を見開く。
ブロロロロロッ!!
そんなイチカを尻目に便利屋68を乗せたワゴン車は走り去っていった。
(何故、カヨコ先輩がアコさんのことを……)
「イチカ先輩。私達はどうしましょうか?」
イチカがそう思案するなか、来弥がそう話しかけてくる。
「来弥はとりあえず黒服達の捕縛を。」
「?イチカ先輩は?」
「私は
首を傾げながらそう尋ねる来弥に対し、イチカはそう言いながらコンテナの上を見上げる。
「!?」
「………」
すると、コンテナ上に中国系統の少年、五飛の存在を確認する。
(なっ!?全く気配を感じなかった……っ!?)
「フン……」
五飛の気配を感じ取れなかったことに来弥が困惑するなか、五飛は鼻を鳴らしながら青龍刀を手に飛び降りてくる。
それを見て、イチカも来弥から離れて、少し開けた場所へと移動する。
(青龍刀に中国拳法の胴着………上は脱いでインナーだけど、鍛えられた身体………この男、出来るッスね……)
「おい。女。」
「……随分と乱暴な物言いッスね。それじゃあモテないッスよ?それに先ずは自分から名乗るのが筋ってもんじゃないッスかね?」
「俺は
「なら、さっさとーーー」
「だが、貴様の動きは目を見張るものがある。流石は『朝鳴』が認めた女だ。」
「ッ!?」
(この男、『朝鳴』を知っている!!?)
「貴様の力、確かめさせてもらうぞっ!!」
五飛が口にした『朝鳴』の名前にイチカがそう思いながら困惑するなか、五飛はそう言いながら青龍刀を構える。
「ッ!!」
(やるしかないッスね……っ!!)
対するイチカはそう思いながらソードを構える。
ガキィィィンッ!!
次の瞬間、五飛の青龍刀とイチカのソードがぶつかり合った。