復活の歌姫

ステージ会場・・・

ざわざわ……ざわざわ……

ライブが行われる予定のステージ会場では、『ツヴァイウイング』のファン達が今か今かと楽しみにしながら座席に座っていた。

・・・フッ・・・

そんななか、照明が消え、会場全体が暗くなる。

それがライブが始まる合図だと思ったのか、会場が盛り上がり始める。

ヴゥンッ!!

『皆!楽しみにしてくれたかぁーっ!?』

ワァァァァッ!!

そんななか、ステージの上に巨大スクリーンに奏と翼が映し出され、会場が更に盛り上がる。

『だけど、ごめんなさい。私達はまだ移動中でそちらに到着するのにまだ暫くかかります。』

『えええええっ!?』

『ほんっとーにごめんっ!!でも、皆を退屈させる気はないよっ!!』

『ある人が私達が到着するまでの間、皆さんを楽しませてくれます。急ではありますが、今回のライブはスペシャルになります。』

『『それでは、よろしくお願いします!!』』

生中継で奏と翼がそう言った瞬間、いつの間にかステージの上に移動していた梨紗アリサにスポットライトが当てられる。

『おおおおおっ!?』

「今夜は星が綺麗ね。だから、きっと……………届くっ!!」

『ワァァァァァアッ!!』

梨紗アリサの歌い出しに会場が再び盛り上がる。

が、梨紗の意識は手を空高く掲げた瞬間、何かに包み込まれるように遠退いたのだった。
29/38ページ
スキ