第三者Side

ブロロロ……ッ！！

「一体何がどうなってんだ………？」

「わからない……でも、このままだとライブにも……っ！！」

ノアとアコの助力によって首都高から無事に脱出した後、アコの運転する多目的ワゴン車内にて、奏と翼は困惑しながらそう言う。

「っ、アコさん、開演時間まで間に合いそうっ！？」

「………正直に言いますと、間に合いません……どうやら追っ手もいるようです……」

そんな二人を見てそう尋ねる千束に対し、アコはサイドミラーで自分達を追跡している車を確認しながらそう答える。

「それに信号の方も足止めしようとハッキングを仕掛けてきています。この程度でしたら、問題なくガードできますが……」

「はい、わかりました………千束、皆さん。会場から連絡がきました。『『ツヴァイウイング』が到着するまでの間、鳴護アリサさんの娘さんが鳴護アリサとして歌う』そうです。」

ノアもパソコン画面を見ながらそう言うなか、会場にいるフキから連絡を受けたたきながそう報告してくる。

「「「えっ！？」」」

「ちょっ、たきな、それって……」ﾋｿﾋｿ

「はい………ただ遅延せず、代わりに開演する……会場の方でも何かが起きているようです……」ﾋｿﾋｿ

そのことに奏、翼、緒川の三人がそう困惑の声を上げるなか、千束とたきなはひそひそ声でそう話をする。

「アリサって、あの鳴護アリサだよな……っ！？」

「娘といえど、プロデューサー達がGOサインを出したということは……っ！！」

「そこで、翼さんと奏さん、緒川さんの三人に一つお願いがありまして……」