復活の歌姫

イチカ・来弥Side

ババァンッ!!ババァンッ!!

「ぐわっ!?」

「がはっ!?」

イチカが運転するオートスタッグで大立ち回りしているなか、後ろに乗る来弥は右手に持ったステアーTMPで銃撃して、黒服達を無力化していく。

「Fドック製のフランジブル弾を用意して正解だったッスね。」

「えぇ、おかげで白昼堂々街中で血を流さずに済みます……ニンニン。」

二人はそう話しながら、黒服部隊を制圧する。

「へぇ~、結構ヤルねぇ~。」

ヒュッ!!

「「!?」」

カランカラン……

そんななか、そう言う少女の声と共に銀の棒状の柄に黒い筒状のものが付いたものー手榴弾が二人の近くに投げ込まれる。

第三者Side

ドカァァァンッ!!

「ッ!?爆発……っ!?」

「ちょおっ!?だ、大丈夫かな……っ!?」

『千束さん!聞こえますかっ!?』

黒服部隊を制圧したイチカと来弥の方で発生した爆発にたきなと千束がそう言うなか、千束のインカムにノアからの連絡が入ってくる。

「え!?ノアちゃん!?来てたの!?」

『話は後です。これより首都高の外壁にワイヤーアンカーを撃ち込みます。ワイヤーをつたって降下して下さい。』

「降下しろと言われても……」

『ロケバスの近くに降下用装備がある筈です。』

ノアからの指示にそう言うたきなに対し、今度はアコがそう言う。

「っ、ありました……しかし、いつの間に……」

『オートスタッグに積んでいたものを、イチカさんが跳び越える前に下ろしていきました。』

『こちらももうすぐ準備が整います。装着して待機していて下さい。』

たきなにアコとノアがそう説明するなか、通信の向こうからカチャカチャという音が聞こえてくる。

「わかった……頼りにしてるね。」

「翼さん。奏さん。緒川さん。こちらを装着して下さい。」

そんなノアとアコに千束がそう言うなか、たきなはそう言いながら三人に装備を渡していく。

「おぉ……っ!!なんか凄いな!これ!!」

「これ……本当に大丈夫なの?」

「大丈夫ですよ、翼さん。ライブで使うワイヤーみたいなものでしょうから……」

装着した装備を興味津々な感じで奏がそう言うなか、不安そうにそう言う翼に対し、緒川は冷静にそう言う。

ガッ!!

そんななか、かすかながらも外壁に何かが突き刺さる音が聞こえてくる。

千束が身を乗り出して確認すると、手元にワイヤーが突き刺さっていて、ワイヤーを辿ってみるとマットが敷かれた多目的ワゴン車の上で大型ワイヤーガンを構えているノアの姿が目に入る。

「お待たせしました!皆さん!!」

「ノアちゃん!!」

「翼さん、奏さん、緒川さん。まずは三人からどうぞ。 」

「あ、あぁ……」

そうして翼達三人を先に降りらせてから、千束とたきなの二人もワイヤー・高架柱・地面でできた直角三角形を滑るように降りていった。
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