復活の歌姫

アル・カヨコSide

ガララ……ッ!!

「……これはいつになく派手にやったね……社長……」

「フフ……『依頼』なんだから仕方ないわよ。カヨコ課長。」

自分達が爆破して瓦礫の山へと変えたビルを見ながらそう言うカヨコに対し、アルは不敵な笑みを浮かべながらそう言う。

「………」

(やっ……やっちゃったぁぁぁぁぁっ!!爆弾の威力、強すぎたぁぁぁぁぁっ!!)

「……これ……ちょっとしたテロって思われても仕方なくない?」

が、実は内心で青ざめていたアルに対し、カヨコは追撃する。

「だ、大丈夫よ。結局は巻き込まれた一般人は誰もいないんだし……」

「……そういえば、さっき、首都高の方でも爆発音が聞こえた気がするんだけど……」

アルがそう自分に言い聞かせているなか、カヨコはそう言いながら首都高の方に目を向ける。

「!?」

すると、首都高の両端の路面が崩落し、正面岸からアサルトライフルで銃撃している黒服部隊が目に入る。

(彼奴ら、一体何を……っ!?)

カヨコがそう思いながら首都高の方をよく見ると、今度は混乱している一般人を非常階段に避難誘導しているアイドルユニット、『ツヴァイウイング』とマネージャーと思われる三人の男女が目に入る。

他にも赤い制服の少女と蒼い制服の三人の少女がいて、赤い制服の少女と一人の蒼い制服の少女が『ツヴァイウイング』を護衛するように避難誘導を手伝い、後の二人の蒼い制服の少女達がブルパップライフルやステアーで黒服部隊に応戦しているのが見える。

「!?アイドルに『リコリス』の護衛?それに黒服の部隊……」

(まさか……この依頼、何か裏があった……っ!?)

第三者Side

「皆!落ち着いて、慌てずに下りてくれ!!」

「きゃあっ!?」

千束達と共に避難誘導に当たっていた奏がそう声掛けするなか、一人の少女がけそうになる。

「っと。大丈夫かい?」

が、翼がそう言いながら受け止める。

「あ、ありがとうございますっ!!」

「ありがとう♪お姉ちゃん♪」

「いえ、どうか慌てずに落ち着いて避難して下さい。」

「は、はいっ!!」

「しかし、これ程までに計画的な犯行……何故、ラジアータに引っ掛からなかったのでしょうか………」

「わからないけど……今は民間人このひとたちを安全に避難させないとっ!!」

ドルルルン……ッ!!

「「「「「!?」」」」」

たきなと千束がそう話をするなか、バイクのエンジン音が聞こえてくる。

見ると、イチカが再びオートスタッグに跨がり、来弥も後ろに乗り込んでいる。

「イチカちゃんっ!?来弥ちゃんっ!?」

「一体何を……っ!?」

「このままお互いに遠くから撃ち合うだけじゃジリ貧ッス。」

「ちょっと行ってきます。」

イチカと来弥はそう言いながら、オートスタッグで黒服部隊がいる正面岸に跳び移ろうとする。

「あ。待って……っ!!」

「「?」」

「……くれぐれも無茶はしないで。それと……」

「「……『命大事に!!』(ッスよね)。」」

ドルルルンッ!!……ドォンッ!!

次の瞬間、イチカと来弥はそう言いながらエンジンを吹かし、正面岸へと向かって跳んでいく。

ムツキ・ハルカSide

「アハッ!派手にやるじゃんっ!!」

「あああああのあの、首都高まで爆破されてるんですが……っ!?」

アルとカヨコとは別地点から自分達が爆破したビルを見ながらそう言うムツキに対し、行動を共にしていたハルカは首都高の方を見ながらそう言う。

「そんなの、ビルを隠れ蓑にしていた詐偽グループ・・・・・・・・・・・・・・・・・を逃がさないためなんじゃない?あっちはあっちで派手におっ始めるみたいだし……」

そんなハルカに対し、ムツキは銃撃している黒服部隊に向かってオートスタッグで跳び上がっていくイチカと来弥を見ながらそう言う

「ど、どどどちらを倒せば良いんでしょうか……っ!?」

「黒服連中は依頼人の勢力なんじゃない?
まぁ、敵対するなら全員、倒せば良いんだし。」

戸惑いながらそう尋ねるハルカに対し、ムツキは黒服部隊を相手にオートスタッグで大立ち回りしているイチカと来弥を獰猛どうもうな目で見ながらそう言った。
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