ロボ太Side

「ふっふ～ん……とりあえずこれで第一段階完了と……ウォールナットが死んで『世界一のハッカー』となった僕にとって朝飯前な仕事だったな……」

その頃、吉松からの依頼で信号機をハッキングし操作していたロボ太はそう言いながら、首都高へと乗るロケバスを映すモニターを見ながら調子づく。

「……ん？……はぁっ！？」

そんななか、地図（マップ）を映すモニターで自身がハッキングして『赤』にした信号機が『青』になっていくことに気付く。

「ば、バカな……こんなに早く青になる筈が……(ｶﾀｶﾀ)……はぁっ！？コントロールが奪い返されている処かハッキングできなくなっているっ！？ウォールナットは死んでいないのになんでだあぁああぁあああぁぁあぁぁぁああぁああぁああぁああぁあああぁぁあぁぁぁああぁっ！！？」

ノア・アコSide

「ハッキングされていた全ての信号機のコントロールの奪取完了。同時に信号機のネットワークに独自のファイヤーウォールも形成しました……これでもうハックされることはありません。」

「お見事です。ノアさん……」

「ですが、千束さん達やイチカさん達が既に首都高に乗ってしまっている以上、犯人グループが一体何を仕掛けるつもりなのか……」

「！？ノアさんは今回は複数犯の犯行だと？」

「アイドル事務所に怪文書を送っているだけでなく、態々（わざわざ）信号機をハッキングして交通渋滞を起こし、首都高に乗るように誘導していることからその可能性が高いかと……」

ロボ太Side

「くそっ！でも、ロケバス（ターゲット）は首都高に乗ってるっ！！第二段階だっ！！！」

ノアとアコがそう話しているなか、ロボ太はそう言いながらパソコンを操作する。

第三者Side

ドッカァァァンッ！！

「ッ！！」

キキィ……ッ！！

「「「「うわぁぁっ！？」」」」

突然爆発し、首都高の前方の路面が崩れ落ちていくのを見て、緒川の運転するロケバスは急停止する。

「どうしたんですか！？緒川さんっ！！」

「なんか凄い爆発音が聞こえたんだけどっ！？」

翼と千束はそう言いながら、緒川の元に駆け寄りながらフロントガラスから前方を見る。

「！？道が……っ！？」

「原因はわかりませんが、突然の爆発で崩れてしまったようです。」

「崩落事故、かな……？」

そう困惑の声を上げる翼に緒川がそう説明するなか、千束は首を傾げながらそう言う。

ドッカァァァンッ！！

「「「「「！？」」」」」

その直後、今度は近くのビルが大爆発を起こし、

ドッカァァァンッ！！

「「「「「！？」」」」」

続けて、後方で爆発音が鳴り響き、路面が崩れ落ちていく。

イチカ・来弥Side

ワァーキャーッ！！

「マズい……閉じ込められた………！？」

ロケバスと同様に首都高の中央の路面に取り残された一般人達が困惑の声を上げるなか、来弥が表情を歪めながらそう言う。

「これが……ノアちゃんの言う罠ッスか…っ！！」

そんななか、イチカは正面岸に突如として現れた、アサルトライフルを装備した黒服の集団を睨み付けながらそう言った。