復活の歌姫

屋内駐車場・・・

「あ!出てきましたね!!」

「どもッス!リコリスのイチカッス!!こっちは相方の来弥。今日一日よろしくッス!!」

屋内駐車場に来た千束や奏達の姿を確認した来弥がそう言うなか、イチカはいつも通りの笑顔でそう挨拶する。

「おっ!こっちも元気そうだなぁ!」

「え、えぇ………」

(何故かしら……自然体なのに、周りの空気が違う…)

そんなイチカについて、笑顔でそう言う奏に対し、翼はそう思いながらそう言う。

(やはり………梨紗さんのチームだけあって、千景さんと同じように、自然体ながらも常に警戒している……)

「おぉーっ!ねぇねぇ、このバイクって梨紗姉のやつ?」

たきなもそう思っているなか、千束はイチカの近くに停車されている黄色と黒のバイク、オートスタッグを指差しながらそう尋ねる。

「そうッスよ、梨紗先輩が今回の任務のために貸してくれたッス。」

「へぇ~、この前、チラッと見たけど、やっぱカッコいいっ!!」

「お?これってオフロードバイクか?」

千束が目を輝かせながら、そう言いながらオートスタッグを見ながらそう言うなか、奏がそう尋ねる。

「まぁ、そうッスね。色々と弄ってあって、山でも街でも快速ッスよ。」

「凄ぇな……ほら。翼も見てみろよ?」

「いや、でも………」

「前にバイクに興味あるって言ってたじゃんか。こんな時にしか見れないぞぉー。」

「………じゃ、じゃあ………」

「どうぞどうぞ。」

そうして翼も間近でオートスタッグを観察する。

「おぉ………カスタマイズされているけれど、しっかり手入れされている………愛を感じるな………」

「あ、あの………そろそろ時間が………」

突如始まったオートスタッグ鑑賞会によって、出発が三十分程遅れてしまった。
11/38ページ
スキ