プロローグ

カァァァ……

動力部を穿たれたHWSリーオーの装甲の隙間から光が漏れ出すなか、梨紗は反動を利用して空中で前転して着地。

直後に横飛びで遮蔽物に飛び込む。

「伏せろっ!!」

同時にそう言いながら伏せるフキに合わせて他の三人も伏せる。

ドッカァァァァァンッ!!

「「「ウワアアアアアッ!!?」」」

直後にHWSリーオーが爆発四散し、周りにいた部下のマフィア達は巻き込まれて無力化する。

「けほっ!けほっ!……っ!!」

爆発によって廃工場内が煙に包まれてるなか、たきなは塵で咳き込みながらもすぐさま立ち上がって辺りを見渡す。

サァァァ……

それとほぼ同時に隙間風が吹き、煙が晴れていく。

「………」

「!?梨紗さん……っ!!」

すると既に立ち上がっていた梨紗の姿を確認する。

先程の砲撃で制服がぼろぼろになっているものの殆んど無傷の状態であることにたきなは安堵の息を溢す。

「………」

縛っていたゴムも失くなりストレートになった髪を靡かせながら、梨紗は足元にある爆発したHWSリーオーのカメラアイの残骸を見下ろす。

ガシャンッ!!

が、躊躇なく右足で踏みつけ叩き割る。

「バ、バカナ……」

そんな梨紗の姿にボスがそう言いながら膝から崩れ落ちる。

「………」

「ナッ、*76億8万ユーロノリーオーガアアアアアアアアアッ!!?」

目の前の現実にボスは頭を抱えながら悲鳴を上げる。

※日本円に換算すると12億円

ボッ!!

「ふんっ!!」

「!?」

バキッ!!

そんなボスに対し、僅かに残っていた煙から飛び出してきたフキが顔面を思い切りぶん殴る。

「ブベラッ!?」

ドサッ!!

殴られたボスは鼻血を出しながら気絶した。
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