「マネージャーの方でしたか。」

「はい、本日はよろしくお願いします。」

「ただのマネージャーじゃなくて、翼の幼なじみでもあるけどなぁ～。」

「そうなんですかっ！？」

「っ！奏っ！！」

奏の爆弾発言に千束が目を輝かせながらそう言うなか、翼は顔を赤らめながらそう言う。

「？」

「あはは……まぁ、幼なじみだというのは強（あなが）ち間違いではありませんが、私の家が元々翼さんの家に仕える家系でして……その関係で翼さんとは小さい頃からご一緒させて頂いております。」

「ほほぅ？つまり、緒川さんは翼さんのBodyGuard（ボディーガード）！いや！騎士（ナイト）様と……」

「なっ………！？」

「はははははっ！！面白いこと言うねっ！気に入ったよっ！！」

緒川の説明を聞いた後の千束の言葉に翼が更に赤らめるなか、奏は腹を抱えながら笑う。

「……おほん。そろそろ時間ですね。事前に打ち合わせした通り、移動に使うロケバスは外見こそは普通ですが、ガラス含めて特殊な防弾仕様になっています。」

そんななか、緒川が軽く咳払いしながらそう説明を始める。

「千束さんとたきなさんのお二人は車内で翼さんと奏さんの警護、外で待機して頂いている二人はバイクで平行運転しながら警護に当たって貰います。」

「はぁーい♪」

「了解しました。」

「それでは、翼さんと奏さんの本日のご予定ですが、この後はテレビ局で収録、その後はチャリティーライブの会場に移動することになってます。」

「了解です。」

「りょ～かい♪」

「あの……テレビ局内でも私達は護衛として入って大丈夫なんですか？」

翼と奏に本日のスケジュールを説明する緒川に対し、たきなは首を傾げながらそう尋ねる。

「はい。表向きにはお二人はツヴァイウイングのお付きという形になります。TV出演とチャリティーライブと1日多忙となるため、そのお世話係ということになりますね。」

「なるほど……」

「ほっほぉ～！リコリコ（わたしたち）らしくて良いですねぇ～！そういうの！！」

「千束。私達の今回の仕事はあくまでも『護衛』なんですからね？」

「わかってるってぇ～。たきな。」

「あはは♪まぁ、今日一日よろしくな♪」

「はい！護衛以外にも何かあれば、何でも手伝いますので！！」

「頼もしいことを言ってくれるねぇ♪」

「ふむ……」

奏と千束が笑顔でそう話をするなか、翼は少しぎこちなさそうにそう言う。

「あの……すいません。ご迷惑にならないように護衛しますので……」

「あぁ、違うんだ。ただ……今までは奏や緒川さん以外で仕事で周りにいたのはスタッフや事務所の人達だったから、その人達とは違う立場である君達と今日は一日中一緒にいる訳だからどう接すれば良いかと……」

「あぁ……なるほど………」

「まぁ、そんなに固く考えることはないんじゃね？可愛い後輩ができたとでも思えば……なぁ？千束？」

「そうですねぇ♪奏先輩♪」

たきなとそう話をする翼に対し、奏と千束は互いに肩を組みながら笑顔でそう言う。

「もう仲良くなっている……」

「なんというか……凄いな。君の相棒は……」

そんな二人を見てたきなが呆れながらそう言うなか、翼は目を丸くしながらそう言う。

「えっと………彼女はいつもああなのか？」

「そう、ですね………千束はいつも誰とでもすぐに仲良くなるので………」

「そう、なのか………とりあえず、今日一日よろしく頼む。」

「あ、はい。よろしくお願いします。」

翼とたきなはそう言いながらおずおずと握手をする。

「（ｸｽｯ）それじゃあ参りましょうか。」

そんな四人を見て、緒川は軽く微笑みながらそう言った。