復活の歌姫

セーフティーハウス・・・

♪~♪~

「………」

その日の深夜、セーフティーハウスの自室にて、梨紗はアリサの曲を聴きながら、リコリスになってから開いていなかった『家族』とのアルバムを眺める。

(お母さん………)

亡き『母』に想いを馳せながら、一枚の写真を手に取る。

そこに写っているのは笑顔でマイクではなく、コーヒーカップを手に取る母、『朝鳴桜歌』・・・

♪~♪~

「………」

その写真を始めとする『家族』との記録しゃしんと、繰り返し流れる『鳴護アリサ』の『歌声』が『思い出』にかかっていた『ノイズ』を消し、補完していく・・・

「………」

パタン……ピッ!!

それを実感した梨紗は写真を戻してからアルバムを閉じ、流していた曲も止める。

「……そろそろ寝ないとね……」

梨紗はそう言いながら電気を消してからベッドで横になり、瞳を閉じる。

♪~♪~

意識を手放す直前、何らかの曲のハミングが聞こえたような気がする。

優しい歌声で歌われるそれは、どこか聞き覚えのある曲だったが、それを思い出す前に梨紗の意識は眠りに落ちるのだった。
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