復活の歌姫

一方のFドックでは……

「ただいま戻りました。」

「ひぃん………流石に疲れたよぉ………」

「お疲れさん。ノア、ユメ。どやった?」

そう言いながら帰還してくるノアと膝までの緑がかった空色のロングヘアーの二十代の女性、梔子くちなしユメの二人に対し、ホリィがそう労いの声を掛けながらそう話しかける。

「ひなたさんの話にあった通り、すっかりすたれてしまっていた神社にありました……」

ノアがそう言いながら中央にある長テーブルの上に刃が欠け、所々にヒビが入っている古い大鎌を置く。

「すっかりボロボロになっているけど……使えるの?」

「梨紗から設計データを貰っとるからなぁ。」

「お父様のサイコフレームの技術も参考にされております。聞いた話の通りなら、この大鎌と千景さんが共鳴し……」

「リーダーのPAユニットと同様に千景さんの動きの補助及びブーストしてくれるという話ですが………」

「サイコミュチップならともかく、聖遺物というやつやからなぁ………こればっかりは巫女様のお告げを信じるしかあらへんなぁ………」

大鎌を見ながらそう言うユメに対し、ホリィとノア、アコの三人はそう言う。

「まっ、話しててもしゃーない。明日にはまた任務があるし……それまでには間に合わせるで。」

「「了解!!」」

「ひぃん………休む暇がないよぉ………」

「フフ……嘆かないで下さい。ユメさん。」

「アコ、アキトを呼んできてくれ。すぐに取り掛からな。」

「了解です。クマノさんは呼ばなくて宜しいので?」

思わず泣き言を言うユメにノアがそう言うなか、そう指示を出すホリィに対し、アコは首を傾げながらそう尋ねる。

「クマノ達はまだ『船』の方に掛かりっきりやろうやからな……ワシとアキトでやるしかあらへん。」

「了解しました。行ってきます。」

「さて、“力”を貸してもらうでぇ………」

アコがそう言いながら呼びに行っているなか、ホリィはそう言いながら大鎌を見る。

「………大葉刈おおはかり。」
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