花の確執
第三屋外演習場・・・
「!司令……それにひなたも………」
模擬戦が終了してから数分後、楠木とひなたが下りてくる。
「お疲れ様です、千景さん。こちら、タオルとお茶です。」
「あら、ありがとう。ひなた。」
そう言いながら差し出すひなたに対し、千景はそう言いながら受け取る。
「いえいえ……」
(千景さんとの生活には慣れてきましたが、まだ名前で呼ばれるのは少し恥ずかしいですね……)
ひなたがそう思いながら照れているなか、楠木は未だに立ち上がれずにいる井原に歩み寄る。
「ぅ………ぁ………」
「……今回の模擬戦で理解 したか?」
「………?」
「……確かに貴様はファーストに上がれるだけの指揮能力はある。だが、それだけ だ。」
「っ………」
「貴様など 所詮は梨紗が抜けた穴 を埋めるため、フキの負担を軽くする ために本部 に異動させてやった に過ぎない………」
「!?」
「コレ が私の後任?
随分と過小評価されたものね……」
楠木の言葉に井原が動揺するなか、梨紗は腕組みしながらそう言う。
「……おまえの足元にも及ばない のは百も承知だ。優良なファースト候補二人 はおまえに忠実だからな。」
「あはは………まぁ、そうッスね……」
「当たり前のことね。」
「寧ろ梨紗先輩以外 に忠実なイチカ先輩と千景なんて、想像することすら難しいのでは?」
「!?」
「おまえ達という奴らは……」
平然とそう言うイチカ、千景、来弥の三人の言葉に井原が更に動揺するなか、楠木はそう言いながら軽く頭を抱える。
「……わかっただろ?コレがおまえの前任であり、DA最強だ。そして、それに付いていける者はこの三人ぐらいだ。」
「嘘よ………こんなの嘘よ………っ!あんなブキミな奴が、私よりも上だなんて……っ!!」
「……この状況でそんな台詞が吐けるおまえはある意味大物だな……」
「うぅ……」
そんななか、他のリコリス達も目を覚まし始める。
「うっ……司令……」
「……彼女を医務室まで連れていきなさい。それぐらいできるだろ。」
「……はい……」
一人のセカンドがそう言いながら近くにいる二人のサードに目配せをする。
「嘘よ………こんなこと………」
次の瞬間、未だに現実を受け入れられずにいる井原の両端から腕を持ち上げるようにして、二人のサードは運んでいく。
「………」
「あ、あの………」
「はぁ……今回は井原の口車に乗せられた という点が多々あるからこれぐらいにしておく………」
井原をサード二人に連れて行かせた後、目配せをした―――少し前にエントランスでたきなの悪口を言っていたセカンドに対し、楠木はため息混じりにそう言う。
「今後は不用意な発言には気を付ける ように……」
「さっきも言ったけど、情報は非常に大切なもの。嘘……それも『悪意』を込めた情報 を故意に流して、相手を貶 めようとするなんてするなんて以 ての外 よ。」
「……はい……」
「本当にファーストに上がりたいなら、これからはそんな下らないこと に時間を割かず、訓練に励むことね。」
「はい……すいませんでした………」
「謝る相手は私達じゃないでしょ?」
「はい……」
本当の意味で目が醒めたのか、セカンドは深々と頭を下げながら第三屋外演習場を後にする。
他のセカンドやサード達も同じように頭を下げながら、次々と第三屋外演習場を後にする。
「……これで多少は風通しが良くなるだろう………」
「そうね……」
「……管制室 にいる者達にも伝えたことだが……」
「ん?」
「半月後、おまえ達四人と管制室 にいる千束やフキ達を含めた十人にある任務に就いてもらいたい。内容はある国際チャリティーイベントの警備とそのイベント中にライブを行うアイドルユニットの護衛だ。」
「?アイドルの護衛ッスか?」
「私達が駆り出される程のことかしら?」
楠木から聞かされた次の任務の内容に、イチカと千景が首を傾げながらそう言う。
「そのチャリティーイベントには米国からの要人も参加されるようでな。どうもそのアイドルユニットのファンらしい………」
「なるほど……チャリティーとは名ばかりの接待 って訳ね。」
「……そのアイドルユニットの所属事務所にイベント中の犯行を仄 めかすような怪文書が届いたらしい。例の消えた千丁の銃の件もあるし、なるべく警察沙汰にしたくないという事務所の要望も相まってDA が動くことになった。」
「怪文書、ねぇ………」
「何か気になることでも?」
「別に。それで配置とかどんな感じなのかしら?」
首を傾げながらそう尋ねる楠木に対し、梨紗はそう言いながら当日の配置について、尋ねた。
「!司令……それにひなたも………」
模擬戦が終了してから数分後、楠木とひなたが下りてくる。
「お疲れ様です、千景さん。こちら、タオルとお茶です。」
「あら、ありがとう。ひなた。」
そう言いながら差し出すひなたに対し、千景はそう言いながら受け取る。
「いえいえ……」
(千景さんとの生活には慣れてきましたが、まだ名前で呼ばれるのは少し恥ずかしいですね……)
ひなたがそう思いながら照れているなか、楠木は未だに立ち上がれずにいる井原に歩み寄る。
「ぅ………ぁ………」
「……今回の模擬戦で
「………?」
「……確かに貴様はファーストに上がれるだけの指揮能力はある。だが、
「っ………」
「
「!?」
「
随分と過小評価されたものね……」
楠木の言葉に井原が動揺するなか、梨紗は腕組みしながらそう言う。
「……おまえの
「あはは………まぁ、そうッスね……」
「当たり前のことね。」
「寧ろ
「!?」
「おまえ達という奴らは……」
平然とそう言うイチカ、千景、来弥の三人の言葉に井原が更に動揺するなか、楠木はそう言いながら軽く頭を抱える。
「……わかっただろ?コレがおまえの前任であり、DA最強だ。そして、それに付いていける者はこの三人ぐらいだ。」
「嘘よ………こんなの嘘よ………っ!あんなブキミな奴が、私よりも上だなんて……っ!!」
「……この状況でそんな台詞が吐けるおまえはある意味大物だな……」
「うぅ……」
そんななか、他のリコリス達も目を覚まし始める。
「うっ……司令……」
「……彼女を医務室まで連れていきなさい。それぐらいできるだろ。」
「……はい……」
一人のセカンドがそう言いながら近くにいる二人のサードに目配せをする。
「嘘よ………こんなこと………」
次の瞬間、未だに現実を受け入れられずにいる井原の両端から腕を持ち上げるようにして、二人のサードは運んでいく。
「………」
「あ、あの………」
「はぁ……今回は井原の
井原をサード二人に連れて行かせた後、目配せをした―――少し前にエントランスでたきなの悪口を言っていたセカンドに対し、楠木はため息混じりにそう言う。
「今後は
「さっきも言ったけど、情報は非常に大切なもの。嘘……それも『悪意』を込めた
「……はい……」
「本当にファーストに上がりたいなら、これからはそんな
「はい……すいませんでした………」
「謝る相手は私達じゃないでしょ?」
「はい……」
本当の意味で目が醒めたのか、セカンドは深々と頭を下げながら第三屋外演習場を後にする。
他のセカンドやサード達も同じように頭を下げながら、次々と第三屋外演習場を後にする。
「……これで多少は風通しが良くなるだろう………」
「そうね……」
「……
「ん?」
「半月後、おまえ達四人と
「?アイドルの護衛ッスか?」
「私達が駆り出される程のことかしら?」
楠木から聞かされた次の任務の内容に、イチカと千景が首を傾げながらそう言う。
「そのチャリティーイベントには米国からの要人も参加されるようでな。どうもそのアイドルユニットのファンらしい………」
「なるほど……チャリティーとは名ばかりの
「……そのアイドルユニットの所属事務所にイベント中の犯行を
「怪文書、ねぇ………」
「何か気になることでも?」
「別に。それで配置とかどんな感じなのかしら?」
首を傾げながらそう尋ねる楠木に対し、梨紗はそう言いながら当日の配置について、尋ねた。