管制室・・・

警告音（ブザー）が鳴り終わっても誰一人として声を上げることはなかった。否、あまりにも速い展開に一方的な蹂躙、セオリーを無視した戦い方に皆、開いた口が塞がらない状態だった。

「……戦闘時間……２分５７秒………あの、司令。もしや彼女らも千束さんと同じように…？」

「………これはあくまで仮説だが、あの四人は洞察力に加えて、人の気配を第六感で感じ取っている。だから視覚外で人の動きを把握して、常時動き回ることができる。」

時間を確認しながらそう尋ねる秘書に対し、楠木は冷静に説明を始める。

「梨紗と千景に至っては人の殺気を明確に、正確に感じ取っている。だから死角からの攻撃に反応できる、弾道を正確に読み切って斬り捨てる、等といった馬鹿げた芸当ができる。」

「………まるでエスパーですね……」

「あくまで仮説だ。『エスパー』等というあやふやな存在を『上』は信じない……そう言いたくなる気持ちはわかるがな………」

信じられないと言いたげにそう言う秘書に対し、楠木は第三屋外演習場にいる梨紗達を見下ろしながらそう言う。

「あぁ、そうそう……あの四人と管制室（ここ）にいる者達で半月後に『ある任務』を請け負ってほしいのだが………」

「「「「「「？」」」」」」