花の確執

第三屋外演習場内・・・

「はぁ……はぁ……」

「無駄よ。貴女のタマは、私には当たらない。」

『胴打ち』と『逆胴打ち』を叩き込まれ、息も切れ始めた井原に対し、千景は涼しい表情でそう言う。

「ッ……こんの……っ!!」

対する井原はそう言いながら弾切れになったセカンドの銃を投げ捨て、ラバーナイフを手に突進する。

「………」

そんな井原に対し、千景はラバーソードCHGの剣先を下げたまま、待ち構える。

そして、井原のラバーナイフが突き出された瞬間―――

パキィィィンッ!!

「!?」

「………」

無造作に振り上げられた千景のラバーソードCHGによって、井原のラバーナイフが弾き飛ばされる。

井原はその驚愕の速さに戦慄する。

「ッ……あんた……わかってるのっ!!」

が、同時に嘗められている・・・・・・・と感じた井原は怒りを爆発させながら、右手のグロックの銃口を千景に向ける。

「………」ヒュッ!!

同時に後ろで見ていた梨紗が、自身のラバーソードCHGを千景に投げる。

「ッ!!」

パァァァンッ!!

パシッ!!

至近距離で発砲された井原のゴム弾を、千景は反回転でけながら梨紗のラバーソードCHGを左手で受け止める。

「!?」

「………」

そのことに驚愕する井原に対し、千景は正面を向きながら即座に左のラバーソードCHGを振るう。

「ッ!!」

対する井原は咄嗟に左手に持った予備マガジンで受け止めようとする。

ドカァァァンッ!!

「がぁっ!?」

が、それよりも速く左上腕を強打され、予備マガジンを落としながら怯んでしまう。

ドカァァァンッ!!

「ぐふっ!?」

そんな井原に対し、千景は右のラバーソードCHGを振り上げ、右上腕をも封じる。

ドカァァァンッ!!

その後、千景はトドメとばかりに左のラバーソードCHGで井原の顔面を思いきり殴り飛ばす。

「がっ……はぁ……っ!?」

「………」

ブンッ!!……キンッ!!

千景は両手の剣を軽く振り、右の自身のラバーソードCHGを左腰の鞘に納刀し、左の梨紗から借りたラバーソードCHGを逆手に持って構えを解く。

ドサッ!!

ビイイィィィーーーッ!!!

その直後、井原が地に伏すと同時に模擬戦終了を告げる警告音ブザーが鳴り響く。

「ぃ………ぁ…………」

「恨むなら、過去の自分自身・・・・・・・を恨むことね。」

その後、千景は冷たい眼で倒れ伏す井原を見下ろしながらそう吐き捨てた。
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