花の確執

第三屋外演習場内・・・

「イチカさんっ!!」

管制室で楠木が半年前の事件のことを話しているなか、千景はそう言いながらラバーソードCHGを投げ渡す。

「助かるッス!!」パシッ!!

バキャアァァンッ!!

対するイチカは受け取りながら踏み込み一閃、特攻を仕掛けてくるサードのラバーナイフを叩き折る。

「ッ!?」

「フッ!!」

ドカァァァンッ!!

「あぁっ!?」

衝撃と叩き折られた事実に思わず立ち止まるサードの腹部を、イチカは思いきり蹴り飛ばす。

「くっ……ッ!?」

「………」

地を転がったサードが蹴られた腹部を押さえながら顔を上げると、『いつの間にか』刀身が外されたCHGの銃口を突きつけられている。

「ヒィ……ッ!?」

ドォンッ!ドサッ!!

サードが思わず小さく悲鳴を上げるも束の間、突きつけられた銃口から放たれたゴム弾が眉間に命中し、意識を刈り取る。

「………」

直後、イチカはCHGを剣形態にして、上へと掲げる。

ガチンッ!!

すると、イチカがサードを蹴り飛ばした直後に投げるようにパージした、ラバーソードが落ちてきて接続される。

「千景っ!!」ヒュッ!!

「えぇ……」パシッ!!

その直後、イチカはそう言いながらラバーソードCHGを投げ渡し、千景は慣れた手つきで受け止め、井原と残り二人のセカンドに向かって歩んでいく。

管制室・・・

「!?あのCHGをあれ程巧みに……っ!?」

第三屋外演習場内・・・

「「「ッ!!」」」

管制室でたきながそう困惑の声を上げるなか、井原達三人は歩み寄ってくる千景に向けて、グロックを構える。

バキィィィンッ!!

「がぁっ!?」

「「!?」」

が、三人が発砲するよりも先に左のセカンドに肉薄にくはくした梨紗がすれ違い様にラバーソードCHGで鳩尾みぞおちに一閃を浴びせる。

「ちぃ……っ!!」

「ッ!!」

パァンッ!パァンッ!!

井原は舌打ちしながら、残り一人のセカンドと共に梨紗に向けて発砲する。

「ぐっ!?」

「「!?」」

「………」

が、梨紗は先程、ダウンさせたセカンドを盾代わりにして防ぐ。

ドン……ッ!!

「あ……っ!?」

その後、梨紗は盾にしたセカンドを井原に押し付けるように投げつける。

ドカァァァンッ!!

「あぁ……っ!?」

ドサッ!!

それによって体勢が崩れた井原の頭上を跳び越え、その勢いのままに梨紗はラバーソードCHGで残りのセカンドに剣道の『面打ち』を食らわせ、ダウンさせる。

「ぐっ……くそ……っ!!」

押し付けられたセカンドを押し退けながら、井原は怒りの表情を浮かべながら梨紗に向けて、グロックを構える。

「………」

「!?」

が、梨紗はそんな井原を意に介さずに千景と入れ代わるように、イチカと来弥の方へと歩いていった。
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