花の確執

管制室・・・

「な、何すか?これ………」

「これは………」

「すご………三人とも、本当にセカンドなの?」

その頃、管制室では、開始早々梨紗達四人が相手チームの2/3を撃破する様を観て、サクラとたきな、千束の三人は思わずそう声を上げる。

「三人ともセカンドだ。イチカと千景に至っては梨紗の進言と本人達の同意の下でセカンドに留められているからな。」

「ッ……では、やはり………」

「そうでなければ、とうの昔にファーストに昇格させている。二人とも、それだけの実力と実績を持っている。」

「!?それじゃあ、この四人の編成は…っ!?」

「ファースト一人にセカンド三人の編成ではあるが、事実上のファースト三人にセカンド一人の編成だ。来弥もまたセカンドの中ではトップクラスの実力を持っている。」

「「なっ………!?」」

そう説明する楠木の言葉にたきなとサクラは思わずそう困惑の声を上げる。

「半年程前にテロ集団のアジトの制圧任務があったことを覚えているか?」

「あっ。それ、先生から聞いた。結構な数のリコリスが投入されたって。」

「表向きには、な。実際に投入されたのはあの四人だ。」

「「「「「「「えぇっ!?」」」」」」」

しれっとそう説明する楠木の言葉に千束、たきな、フキ、サクラ、エリカ、ヒバナ、ひなたの七人は思わずそう困惑の声を上げる。

「更に驚くことに作戦時間は想定の1/3。
それも四人全員が無傷な上でな。」

「そんなこと………できるんですか………っ!?」

今先程、聞いた話が信じられないとばかりにたきながそう楠木に尋ねる。

「それがあのチームの恐ろしさだ。セカンド三人とも、梨紗に対して、絶対的な信頼を持っている。梨紗の意図を瞬時に汲み取り、全力で実現させる。特にイチカは適応力が異常に早く、『上』の一部が梨紗と組ませたがる程だ。」

「確かに………イチカはいつも、基本を聞いただけでモノにしている………」

対する楠木からの説明に管制室内において、楠木の次に付き合いが長いフキは納得したようにそう言う。

イチカと千景あのふたりには自他共に認める『問題点』がある。だからこそ、梨紗の進言でセカンドに留められている。もっとも、ファーストに上がったとしても、二人は本部よりも梨紗の指示を優先するだろうな。」

「それって良いんすか?」

「良くはないさ。だが、迂闊うかつなことをして怒りを買ってみろ。最強の味方チームが一転して、最悪の敵チームになるぞ。」

真剣な表情でそう説明する楠木の言葉に、その場にいた全員が青ざめた。
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