花の確執

管制室・・・

「狙いは正確ね。でも、その分読みやすい……」

「おぉ…流石梨紗の相方……」

「お、お久しぶり……」

「あら、ヒバナにエリカ。久しぶりね。」

サクラについて、千景がそう分析するなか、ヒバナとエリカがそう言いながら入ってくる。

(エリカ?何処かで聞いたような……)

「千景さん、あの方達は……?」

「姉さんがフキさんと組んでた頃のチームメイトよ。オレンジの髪が蛇ノ目じゃのめエリカさん、金髪がかがりヒバナさん。」

「?梨紗。」

「その子は……?」

首を傾げながらそう尋ねるひなたに千景がそう説明するなか、ヒバナとエリカはひなたのことについて、そう尋ねる。

「先日の任務で保護した子よ。ちょっと訳ありでね。リコリスにはならないけど、うちで面倒みることになったわ。」

「う、上里うえさとひなたです……」

「蛇ノ目エリカです……よろしくね。」

「エリカの相方の篝ヒバナ。よろしくぅー♪」

「ところで梨紗……その……たきなは………」

まだ・・来てないわ……まだ・・……ね………」

申し訳なさそうにそう尋ねるエリカに対し、梨紗はキルハウスブース内にいる千束達を観ながらそう答える。

キルハウスブース内・・・

「すいません…銃を奪われました…」

「……やみくもに撃ってもヤツには当たらない………」

「射撃には自信あるっす!!」

「だから、余計にダメ・・・・・なんだよ!彼奴あいつは」

「忘れ物ですよぉ~?」

シャー………カランカラン

「「!?」」

フキの説明の最中、千束がそう言いながら奪ったグロックを、物陰に隠れる二人の目の前に来るように滑らせる。

「(ブチィッ‼)くそっ!!」

「!?せっ!サクラッ!!」

フキの制止を聞かず、キレたサクラはすぐさま拾い上げながら構える。

「コケにすんのも……いい加減にしやがれっ!!」

パァンッ!パァンッ!パァンッ!!

サクラはそう言いながら発砲する。

「………」

が、千束はゆるりとしたペースで歩きながら、最小限の動きだけでかわしていく。

「ぐぅ……っ!?」

パァンッ!…カチッカチッ……

「はぁっ!?」

(なんで……まだタマは………っ!!?)

管制室・・・

「………手癖が悪い・・・・・わね……千束………」

「あぁ~、これは千束先輩……やりやがった・・・・・・ッスね………」

「え?」

キルハウスブース内・・・

「ダ~メだよぉ。」

「!?」

一度敵の手に渡った銃・・・・・・・・・・……そのまま使っちゃ………」

困惑しているサクラにそう言いながら、千束は見せつけるように握り締めた左手を突き出す。

「てめぇ、まさか……」

バラララ………

握り締めた左手を開いた瞬間、そこ・・から三発のペイント弾がこぼれ落ちる。

「抜きやがったなぁああっ!!?」
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