花の確執

「そ、そう……」

(なんか犬みたいね……)

「井ノ上さんの後任と聞いたけれど、大した事ないわね。」

「はぁ?何すか?いきなり。」

梨紗さんの後ろからそう言う千景さんに対し、サクラさんが若干キレかける。

「……噂を鵜呑みにして嗤うなんて三流よ。」

「え……?」

が、冷たい眼で見ながらそう言う千景さんの言葉に思わずそう呆けた声を上げる。

「……フキ。貴女、この子には説明してなかったの?」

「ッ……この後、やるつもりだった訓練の時に話すつもりだったんだよ……千束とたきなバカどもに絡まれたせいでタイミングを逃すどころか話がややこしくなっちまったけど………」

「よく言うわ。咄嗟に下手な芝居・・・・・なんかして、たきなあの子DA本部ここへの未練・・を断ち切らせるきっかけを作ろうとしたくせに……」

「うっせぇ。」

「ちょ、ちょっと待って下さいっ!!先輩っ!説明って何のことっすかっ!?」

梨紗さんとフキさんの会話の最中、サクラさんがそうフキさんに尋ねる。

「……確かにたきなは前の任務で命令違反をした挙げ句、仲間が人質に取られている状況で機銃掃射しやがったが……人質エリカは生きている上に彼奴あいつが『相方を病院送りにした』事例は何処にも存在しないぞ。」

対するフキさんは真剣な表情でそう説明しました。

「何すか?それ……自分が本部ここに来た時に聞いた話となんか違くないっすかっ!?」

「……おまえのその話……おまえの少し前に来た、ファーストの井原の周りにいた奴から聞いたんじゃないか?」

「そういえば……それじゃあ、自分は彼奴あいつらに騙されたってことっすかっ!?」

「平たく言えば、そういうことだ。」

「マジっすか……これ、後で謝った方が良いっすよね……」

自分が騙されていたことを知ったサクラさんは罰が悪そうな顔をしながらそう言う。

……割りと素直な方なんですね……

「そうね。でも、謝るのは後にしときなさい・・・・・・・・。多分、することにはなる・・・・・・・・だろうから………」

「え?」

「行くぞ、サクラ。模擬戦の準備だ。」

え?

「言っておくけど、悪いことをしたからってわざと負けるようなことをするんじゃないわよ。
全力でり合いなさい。
謝るのはその後。良いわね?」

「は、はいっす!!」

真剣な表情でそう言う梨紗さんに気圧けおされたサクラさんは思わず直立姿勢でそう返事しました。
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