花の確執

「……命令を無視して独断専行するリコリスなんざ使い物にならねぇ……それだけだ。」

「……フキぃ……」

「………」

「あ。梨紗さん……」

「あら?それは私に対する当てつけ・・・・かしら?フキ……」

「ッ……梨紗……」

「梨紗姉……」

そんななか、梨紗さんがそう言いながら、腕組みしながら物陰から姿を現す。

私達四人も後から追いかけるように姿を現す。

「なっ……!?」

「うぇっ!?人増えてるっ!!?」

「司令の言葉も耳が痛いわね。
私にとっては最新兵器の破壊が最優先。
リコリスの使命なんて二の次。」

「………」

フキさんと千束さんがそう困惑の声を上げるなか、梨紗さんは司令さんにそう言う。

「独断専行?生憎あいにくと私は人形・・じゃない。『上』がアテにならなければ、独自に判断し行動する。上の命令が無ければ、動けないのままじゃ………同じ事の繰り返し・・・・・・・・よ。」

「ッ………」

「………随分と元気そうな物言いだな。梨紗………一月ひとつき前に死にかけたとは思えんな………」

フキさんを見ながらそう言う梨紗さんに対し、司令さんは冷静にそう言う。

「生憎と果たさなければならない目的がある以上、私は何度死にかけても死なないわ。」

「……そうか……それは大いに結構だ。」

「それより、貴女が寄り道・・・をしていると聞いたからこうして来たんだけど………」

「あぁ、そいつはすまなかったな……彼女が例の『巫女』か?」

真顔だけど眼には明らかに『苛立ち』を宿しながらそう言う梨紗さんに対し、司令さんは私を見ながらそう言う。

「えぇ、そうよ……詳しい話はマスターから報告は受けてるでしょ?」

「あぁ、彼女の今後の生活についても“力”になってほしいとも言われている……」

「ど、どうも……上里ひなたです……」

梨紗さんとそう話をする司令さんに対し、私はそう挨拶しながら頭を下げる。

「……DA本部ここの司令の楠木だ。態々わざわざこんな山奥まで来てもらってすまないな。」

「い、いえ……」

なんでしょう……てっきり『大社あの人達』みたいに冷たい人なのかと思いましたが……何か違う気がします……

「司令。ここでは……」

「わかっている……私の部屋で話そう。着いてきなさい。梨紗と千景、イチカと来弥。おまえ達もだ。」

私がそう思っているなか、近くにいる秘書らしき女性に声をかけられた司令さんはそう言いながら歩き始める。

「私と千景はわかるけど、イチカと来弥は関係ないと思うけど?」

ひなた彼女に関しては、な。おまえ達四人には別で話がある……着いて来なさい。」

そう言いながら歩き始める司令さんと秘書さんの後を私達五人は着いていく。

「楠木さぁーんっ!!たきなを戻して下さいねぇーっ!!」

後ろからそう言う千束さんの声を聞きながら……
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