花の確執
ザァァァ……
ブロロロ……ッ!!
「朝早くからありがとう。深沙希。」
「いえ。他ならぬお嬢様からの頼みですから。それに一時報告をと思っておりましたので……」
翌日、どしゃ降りのなか、DAの本部へと向かう車内にて、助手席に座りながらそう言う梨紗さんに対し、梨紗さんの亡くなったお父さんの部下で今はDA本部に職員として潜入している籠目深沙希さんが運転しながらそう言う。
因みに後部座席には私と千景さん。たきなさんは結局、千束さんと一緒に電車で向かうことにしたらしいです。
「何かわかったのかしら?」
「はい。と言いましても『アラン機関と深い繋がりがある』程度のことですが……想定よりもセキュリティが高く、思うように潜り込めておりません。」
アラン機関……近頃 、TVでよく見る慈善団体のことでしょうか……
正直、『大社 』と似たものを感じて、私はあまり好きにはなれませんが……
「ここでその名を聞くとはね………わかったわ。引き続き、調査をお願い。危ないと思ったら、迷わず離脱しなさい。」
「承知致しました。っともうじき本部に到着致しますね。」
そんななか、私達を乗せた車が『この先関係者以外立入禁止』という立て札のある、電子で自動開閉する鉄格子柵の前まできた。
「どうやら千束さん達もいらしたようでございますね。」
ブロロロ……ッ!!
深沙希さんがバックミラーを見ながらそう言った直後、後方から黒いワンボックスカーが走ってきてピタッと停まる。
「あぁ、ひなたさんにはこちらをお渡ししておきます。」
「?」
そんななか、深沙希がそう言いながら、後ろを見ずに白い一枚のカードを手渡してくる。
受け取ったカードにはバーコードが刻まれていて、首に掛けられるように紐が付いている。
「リコリス は顔認証で本部の玄関 を潜れますが、ひなたさんはあくまでリコリコで保護を受けている身でリコリスではありませんからね……そのカードを認証装置に翳せば、本部に入ることができます。」
「あ、ありがとうございます……」
「いえいえ……」
ガシャン
ブロロロ……ッ!!
そんななか、鉄格子柵が開き、二台の車は山奥へと入っていきます。
……それにしても嫌な雨ですね……
キィ…ッ!!キィ…ッ!!
「到着致しました。」
暫くすると、二台の車は一見宿泊施設のような建物の前まで辿り着く。
ガチャッ!!
「ありがとうね。深沙希。」
「ありがとうございます。籠目さん。」
「あ、ありがとうございますっ!!」
車から降りながら梨紗さん、千景さん、私の三人は各々 でそうお礼の言葉を述べる。
「お嬢様方のサポートが私の役目ですから。
ただ、DAではこれ以上の情報収集は厳しいかと……」
対する深沙希さんは外に設置されている監視カメラを見ながらそう言う。
「そうね……DA内部の情報収集はもう良いわ。
いざという時は頼りになる裏キャラ もいるし。貴女はあの男 の調査に専念して頂戴。」
裏キャラ……クルミちゃんのことでしょうか……
「さっきも言ったけど、無茶はしないようにね。」
「承知致しました。それではお嬢様方、後程 ………」
ブロロロ……ッ!!
深沙希さんは恭 しく頭を下げながらそう言うや否や車に乗って走り去っていく。
「梨紗姉ぇーっ!千景!ひなた!」
直後、後続の車からたきなさんと一緒に降りてきた千束さんが片手を振りながらそう話しかけてくる。
「さっき遠目で見た時、職員の人と親しげだったけど……」
「何を話してたんですか?」
合流した後、千束さんとたきなさんがそう尋ねてくる。
「別に。なんでもないわ。」
対する梨紗さんはそう言いながら本部へと向かい、千景さんも何も言わずに向かう。
それを見た私や千束さん達も慌てて後を追うように向かった。
ブロロロ……ッ!!
「朝早くからありがとう。深沙希。」
「いえ。他ならぬお嬢様からの頼みですから。それに一時報告をと思っておりましたので……」
翌日、どしゃ降りのなか、DAの本部へと向かう車内にて、助手席に座りながらそう言う梨紗さんに対し、梨紗さんの亡くなったお父さんの部下で今はDA本部に職員として潜入している籠目深沙希さんが運転しながらそう言う。
因みに後部座席には私と千景さん。たきなさんは結局、千束さんと一緒に電車で向かうことにしたらしいです。
「何かわかったのかしら?」
「はい。と言いましても『アラン機関と深い繋がりがある』程度のことですが……想定よりもセキュリティが高く、思うように潜り込めておりません。」
アラン機関……
正直、『
「ここでその名を聞くとはね………わかったわ。引き続き、調査をお願い。危ないと思ったら、迷わず離脱しなさい。」
「承知致しました。っともうじき本部に到着致しますね。」
そんななか、私達を乗せた車が『この先関係者以外立入禁止』という立て札のある、電子で自動開閉する鉄格子柵の前まできた。
「どうやら千束さん達もいらしたようでございますね。」
ブロロロ……ッ!!
深沙希さんがバックミラーを見ながらそう言った直後、後方から黒いワンボックスカーが走ってきてピタッと停まる。
「あぁ、ひなたさんにはこちらをお渡ししておきます。」
「?」
そんななか、深沙希がそう言いながら、後ろを見ずに白い一枚のカードを手渡してくる。
受け取ったカードにはバーコードが刻まれていて、首に掛けられるように紐が付いている。
「
「あ、ありがとうございます……」
「いえいえ……」
ガシャン
ブロロロ……ッ!!
そんななか、鉄格子柵が開き、二台の車は山奥へと入っていきます。
……それにしても嫌な雨ですね……
キィ…ッ!!キィ…ッ!!
「到着致しました。」
暫くすると、二台の車は一見宿泊施設のような建物の前まで辿り着く。
ガチャッ!!
「ありがとうね。深沙希。」
「ありがとうございます。籠目さん。」
「あ、ありがとうございますっ!!」
車から降りながら梨紗さん、千景さん、私の三人は
「お嬢様方のサポートが私の役目ですから。
ただ、DAではこれ以上の情報収集は厳しいかと……」
対する深沙希さんは外に設置されている監視カメラを見ながらそう言う。
「そうね……DA内部の情報収集はもう良いわ。
いざという時は頼りになる
裏キャラ……クルミちゃんのことでしょうか……
「さっきも言ったけど、無茶はしないようにね。」
「承知致しました。それではお嬢様方、
ブロロロ……ッ!!
深沙希さんは
「梨紗姉ぇーっ!千景!ひなた!」
直後、後続の車からたきなさんと一緒に降りてきた千束さんが片手を振りながらそう話しかけてくる。
「さっき遠目で見た時、職員の人と親しげだったけど……」
「何を話してたんですか?」
合流した後、千束さんとたきなさんがそう尋ねてくる。
「別に。なんでもないわ。」
対する梨紗さんはそう言いながら本部へと向かい、千景さんも何も言わずに向かう。
それを見た私や千束さん達も慌てて後を追うように向かった。