命の重さと確執と・・・

「できたぞ……」コトッ

それから程なくして、持参した豆腐を麻婆豆腐に調理してみせた矢車はそう言いながら、皿を座敷席のテーブルの中央に置く。

「おぉーっ!!麻婆豆腐っ!!」

「見るからに辛そうですね……」

「隊長は料理が趣味でよく自分や仲間達に振る舞ってくれるんです。」

それを見て千束が目を輝かせながらそう言い、たきながそう言うなか、影山はそう説明する。

「ほぅ……これはなかなか……」

「手土産もなしで来るのは失礼なので……冷めない内にどうぞ。」

「ご飯もできたわ……」

麻婆豆腐を見ながらそう言うミカに矢車がそう言うなか、千景がそう言いながら、ひなたと共にお盆に乗せた人数の茶碗に盛られたご飯を運んでくる。

「おぉーっ!!五目御飯っ!具沢山で良いねっ!!」

「テンションが高いなぁ……千束……」

茶碗に盛られた五目御飯を見てテンションを上げる千束に対し、いつの間にかいたクルミはそう言う。

「ひなたにも具を切ってくれるのを手伝ってもらったわ。」

「………」ペコリ

そんななか、千景はそう言い、ひなたは物怖じしながらも軽く頭を下げる。

「それじゃあ……」

「「「「「「「「「「いただきます。」」」」」」」」」」

そうして矢車と影山を入れた十人は五目御飯と麻婆豆腐を食べ始める。

「美味しいぃーっ!!」

「麻婆豆腐と五目御飯……合いますね……」

「酒とも合うわぁ~♪」

「千景が料理上手なのは知っていたけど……あんたもなかなかやるわね。矢車。」

千束とたきな、ミズキの三人がそう言いながら舌鼓したつづみを打つなか、梨紗はスプーンで掬った豆腐を見ながらそう話しかける。

「そちらの相方もなかなかの腕前だぞ。鳴護……この五目御飯は俺の麻婆豆腐と完全パーフェクト調和ハーモニーが取れている………」

「ぱ、ぱーふぇくと……はーもにー………?」

「ところで……」

五目御飯を見ながらそう言う矢車にひなたが戸惑いながらそう言うなか、ミカがそう言いながら改めて矢車と影山の二人を見る。

「二人がこうしてここに来たのはコトの顛末の報告と料理をしに来ただけという訳ではないのだろう?」

「はい。ただ……」

「彼女達は?」

鋭い視線を向けながらそう尋ねるミカに対し、矢車と影山の二人はひなたとクルミを見ながらそう聞き返す。

「あぁ、彼女はクルミ。色々と訳アリで詳しくは話せないが、ここで居候させる代わりに電脳戦でバックアップをしてもらっている。」

「ん。」

「で、彼女は上里ひなた。この前の地下研究施設で実験体扱いされてたのを保護して、最初は私の知り合いの所で預かってもらうつもりだったんだけど……」

そんな二人にミカがそう説明するなか、梨紗はひなたを見ながらそう説明した。
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