命の重さと確執と・・・

「ここですか?梨紗さん……」

「えぇ……」

移動すること数分後、二人はそう話しながら拓けた草地に辿り着く。

「……廃墟の時とは違って、今度は出入口っぽいものは見当たらないですね。」

「まぁ、あの時は矢車達が既に通った後だからね。普通はこんなものよ。」

ゴゴゴ……ッ!!

「「!?」」

二人がそう話をするなか、地響きが鳴り響く。

ズドォォォォォォォンッ!!

「「!?」」

次の瞬間、目の前の地面が吹き飛び、

ドルルルルルルルルルルルッ!!

「梨紗姉っ!!たきなっ!!」

「乗ってっ!!」

そこから大型バギーに乗った千束達三人が飛び出してくる。

「「ッ!!」」

それを見た二人はすぐさま大型バギーに乗り込み、掴まる。

「よぉしっ!バギー君っ!パワー全開っ!巻き込まれる前に逃げ切るよっ!!」

ドルルルルルルルッ!!

二人が乗り込んだのを確認した後、千束は後ろのツインアイにそう語りかけ、ツインアイはキリッとした表情を浮かべながら出力パワーを引き上げる。

「!?ロボット……ッ!?」

「千景……どういうこと?」

「ごめんなさいっ!姉さんっ!説明は後でっ!今は……」

「脱出だあああああああっ!!」

ドルルルルルルルルルルルルルルルルルッ!!

謎のロボットバギーにたきなと梨紗の二人が困惑するなか、五人と一機は山から脱出を果たす。

ズガガガガガガガガガガガガガ……ッ!!

その直後、先程、千束達が飛び出してきた地点を含む一集落分の地面が、地下施設の崩落に伴い陥没していく。

「若葉ちゃん……」

(どうか無事で……)

煙が上がる山を見ながら、巫女は自身の幼馴染みおもいびとが無事に脱出していることを祈った。
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