命の重さと確執と・・・

「ッ!!」

ドンッ!!

そんななか、千景の方が先に動き、地を蹴り肉簿する。

「ッ……!!」

対するブラッディーリーフも迎撃するために構えに力を込める。

パァァァ……ッ!!

「!?うえぇっ!?」

「………」

次の瞬間、千景が引き抜いたソードCHGの刀身と祈りを捧げる巫女に青白い光・・・・が宿る。

ドンッ!!

それに導かれるように千景の動きもこれまで以上に更に加速する。

ボォォォ……ッ!!

対するブラッディーリーフが引き抜いた凶星には青い炎・・・が宿る。

ガキィィィィィィィンッ!!

次の瞬間、二人の剣が、光と炎がぶつかり合う。

パキィィィィィンッ!!

「!?」

が、ほぼ直後に千景のソードCHGの刀身が半ばから折れ、宙に舞う。

梨紗あねのと姉妹刀として造ってもらったソードが折られたことに千景は目を見張る。

「!?凶星が……っ!!?」

対するブラッディーリーフも千景のソードをへし折ったものの力負けし、後退させられたことと凶星の刀身が所々ひび割れ、ぼろぼろになっていることに驚愕する。

「!?」

ガシャアアアアンッ!!

そんななか、重力に従って落下してきたソードの刀身がブラッディーリーフのバイザーを斬り裂き、その奥に隠されていたすみれ色の瞳があらわになる。

「ちぃ……っ!!」

バイザーを斬られたブラッディーリーフは舌打ちしながら、反撃に凶星を振るう。

「ッ……!!」

対する千景はかわしながら距離を取る。

刀身が折られたCHGを後ろの千束達の足元にまで投げ捨て、両腰に格納してあるアーマーシュナイダーを両手に一本ずつ引き抜いて構えながらブラッディーリーフと眼を合わせる。

「……随分と汚い眼ね……」

「……貴様にだけは言われたくないな。」

そう言うブラッディーリーフの瞳には光が全く宿っておらず、『闇』を思わせる程に酷く濁っている。

(千景と似てる………暗い眼………でも、なんだか悲しそう………)

ドカァァァンッ!!

「「「「!?」」」」

そんなブラッディーリーフの瞳を見て、千束が密かにそう思っているなか、天井の一部が崩れ落ちてくる。

「くっ!!」

「ちっ!!」

ブラッディーリーフと千景が互いに後退した直後、両者の間を瓦礫が塞ぐ。

「若葉ちゃん……っ!!」

「ちょいちょいちょいっ!?千景ぇーっ!!急いで脱出しないと、生き埋めになっちゃうっ!!」

「………」

巫女と千束がそう言うなか、千景は無言で瓦礫を見据える。

「ちっ!時間切れか……」

そんななか、瓦礫の向こうからそう言うブラッディーリーフの声が聞こえてくる。

「勝負はまた一旦預けるぞ。Cシャドウ……」

タタタ……ッ!!

そう言うブラッディーリーフの言葉と走り去っていく足音と共に、気配が消えていく。

「くっ………ブラッディーリーフ……ッ!!」

『ウイング02、応答しなさいっ!千景っ!!』

千景が瓦礫を睨み付けながらそう言うなか、特殊無線越しにそう言う梨紗の声が聞こえてくる。

「こちら、ウイング02、千景です。」

『急いで脱出しなさいっ!崩落が近いわっ!!』

「っ……了解です。」

千景はそう言いながらアーマーシュナイダーを仕舞い、千束と巫女に駆け寄る。

折れたソードCHGを鞘に納刀し、巫女を横抱きで抱き抱える。

「ひゃ………っ!?」

「私が抱き抱えていきます。
錦木さん、先行して下さい。」

「う、うんっ!わかったっ!!」

ガラガラ……ッ!!

崩落が進んでいくなか、三人は急いで脱出口を目指す。

「あ、あれ?確か階段への道はこっちだったよねっ!?」

が、少しした後、元来た道の先が瓦礫で塞がっているのを見て、千束がそう困惑の声を上げる。

『落ち着いて下さい、千束さん。先程、通った道を少しだけ戻って、右に曲がった先に地上からの資材搬入用の出入口があります。』

そんな千束に対し、ノアが特殊無線越しにそう言う。

「マジでっ!?その情報助かるっ!!」

「急ぎましょうっ!!」

そうして三人はすぐさま行き先を変更し、資材搬入口の方へと向かっていった。
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