命の重さと確執と・・・

タタタ……ッ!!

「えっと……千景がいるのはこっちの方なんだよね?ノアちゃん。」

『はい、千束さん。その先に千景さんがいます。』

一方その頃、地下三階辺りで梨紗達と別れた千束はノアのオペレートの元に通路を駆けている。

バババッ!!バババッ!!

「!?銃声……っ!」

『千束さんっ!?』

そんななか、曲がり角の方から聞こえてきた銃声に、千束はそう言いながら確認に向かう。

「うっ……!?」

が、曲がり角に入った直後、千束の目にたくさんの少年の遺体が入ってくる。

遺体はどれも銃で撃たれたものではなく鋭い何かで斬り裂かれており、上下に分かれているものや四肢を斬り落とされているもの、中には首をはねられているものもあった。

「これ………全部、ブラッディーリーフがやったの……っ!?」

「はぁ……はぁ……くそっ!なんなんだ!?彼奴!!」

「!?」

そんななか、一人のリリベルがそう言いながら、必死な形相で駆けてくる。

そして、千束と目が合ったリリベルはその存在ファーストリコリスに安堵したのか、表情をほころばせる。

「た、助け」

ドスッ!!

「!?」

千束に助けを求める最中、黒い刀身がリリベルの額から突き出てくる。

ズシャアアアアアッ!!

突き出た刀身はそのまま下へと振り下ろされ、リリベルは両断されてしまう。

「ッ……!?」

過去に例のない程凄惨な光景に千束は思わず口元に手を当てながら後退る。

「ふん………今度はリコリス、それもCシャドウといた“電波塔”のファーストとはな……」

「ッ!!」

その直後、殺されたリリベルの背後からそう言いながら現れたブラッディーリーフに、千束はすぐさまデトニクスを構える。

が、自覚できる程に手が震えてしまう。

「ッ!!」

ドォンッ!!

それでも千束はなんとか狙いを定めて発砲する。

パァァァンッ!!

が、ブラッディーリーフは黒刀…凶星を振るい、空中で『彼岸花』が咲く。

「!?」

その瞬間、ブラッディーリーフの脳裏に一瞬だけ『彼岸花のように・・・・・・・を纏う誰か・・・・・』の姿が過る。

(今のは……)

「ッ……ふざけているのか?」

ドンッ!!

「!?」

少しだけ苛立ちを覚えたブラッディーリーフはそう言いながら地を蹴り、肉簿して凶星を振るってくる。

「くっ……!!」

千束は咄嗟に後ろに下がり、その刃をかわす。

ズバァァァンッ!!

ドサッ!!

が、デトニクスがスパッと切られ、千束はそのまま尻餅を着いてしまう。

「くっ……」

「胴体を泣き別れにしてやるつもりだったが、流石は『電波塔のリコリス』……最期に撃った弾が下らない非殺傷ゴム弾だったのが残念だったが……」

尻餅を着いた千束に対し、ブラッディーリーフはそう言いながら振り上げた凶星を振り下ろそうとする。

ドォンッ!!ドォンッ!!ドォンッ!!

「ッ!!」

ガキィンッ!!ガキィンッ!!ガキィンッ!!

が、その瞬間、千束の後方から放たれた実弾・・にブラッディーリーフは咄嗟に凶星で弾きながら、千束から距離を取る。

「あっ……!?」

「わっ!?」

「彼女を連れて離脱しなさいっ!!」

「………」

その直後、駆けつけてきた千景はそう言いながら、千束に『巫女』を押し付ける。

その後、千景はCHGを変形させ、右腰の鞘に納まっているソードと連結させてから引き抜き、ブラッディーリーフと対峙した。
22/38ページ
スキ