命の重さと確執と・・・

「凄い………」

「「………」」

「………」

「………」

そう言う千束やたきな達が呆然とするなか、仮面の男は血溜まりに伏せる梨紗を一瞥いちべつする。

「……1機撃破。残りのリーオーとトラゴスの破壊も確認。これより、施設の破壊を開始する。」

その後、仮面の男はそう言いながらスラスターを吹かして、施設の奥へと消えていく。

「ッ!梨紗姉っ!!」

「梨紗さん……っ!!」

その直後、千束とたきなはそう言いながら駆け寄り、リリベル達も同じように駆け寄る。

シュウウウ……

「「「!?」」」

千束が駆け寄り抱き上げた直後、梨紗の髪の一部が白く変色し、白の割合が増える。

「これは一体……っ!?」

「……ん……」

「梨紗姉っ!!」

「……千束……たきな……皆、無事?」

「う、うん。よくわからないけど皆、奇跡的に瓦礫の下敷きになってないよ……」

「そう……良かったわ……」

「それより!梨紗姉の方がヤバいからっ!!
すぐに止血するからじっとしててっ!!」

「……“電波塔”のリコリス。」

「ん?」

「……使え。」

そんななか、矢車がそう言いながら、自分の分のガーゼと止血剤を千束に投げ渡す。

「うわっと!?ありがとうっ!!」

「礼を言うべきはこちらだ……先程までの部下への応急処置、感謝する。」

そうして千束は梨紗の出血の止血を始める。

「あ!一応男達リリベルは後ろを向いてて!!私がOKって言うまで振り向かないように!!たきな!念のために見張ってて!!周囲への警戒も含めて!!」

「はい。」

「………」
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