命の重さと確執と・・・

「クルミは引き続き、私と千束達のオペレートをお願い。貴女のことだからとっくにこの地下したの研究施設の防犯カメラの映像をハッキングして観てるんでしょ?」

『あぁ、辛うじて生きているリリベルヤツが施設内を闊歩しているロボット共を鹵獲ろかくしようと頑張ってるぞぉ~。』

「……さっさと諦めて脱出しようとしなさいよ……」

「急いだ方が良さそうですね。」

「だね!巫女さんのことも気掛かりだしね!!」

クルミから上がってきたリリベルの現状に梨紗が軽く頭を抱えるなか、たきなと千束はそう言う。

「それじゃあ、行くわよ。」

そうして四人は廃墟内へと入り、進んでいく。

「!?この臭いは……」

「姉さん……」

「……千束……」

少しした後、奥からかすかに漂ってきた臭い・・にたきなと千景がそう言うなか、梨紗はそう言いながら立ち止まり、千束の方に振り返る。

「……うん。大丈夫……こういう時・・・・・の覚悟はちゃんとして来ているよ。」

「………そう……」

そういったやりとりをしてから歩くこと数分後、地下へと続く隠し階段の前で血の海に沈む二人の白い軍服を着た少年…リリベルの姿が四人の目に入ってくる。

「ッ!!」

目に入ってきたリリベルに対し、千束がすぐさま駆け寄り、状態を確かめる。

「千束さん……」

そんな千束に対し、たきなはそう言いながら話しかけようとする。

が、梨紗が肩を掴み、首を横に振って静止させる。

やがて、二人がもう手遅れだということを確認した千束は二人を横たわらせ、胸の辺りで手を合わさせ、瞳を閉じさせる。

その後、千束は二人のリリベルの冥福を祈るために手を合わせる。

「この傷……刃物で斬られたのね。規模からして、刀………」

「千景、これを見なさい。」

そんななか、そう言いながら遺体の傷口を冷静に観察する千景に対し、梨紗はそう言ってリリベルの装備品を見るように促す。

「!?銃も防弾チョッキも斬られている………それにこの切れ味は…っ!」

「間違いない、現行ではなくうちの技術……」

「なっ!?ということは…っ!」

「あの子もいるの…っ!?」

現行ではない…すなわちG装備関連の技術が用いられた刀を扱う存在……

梨紗達四人にとって、その存在は一人しかいない。

「ブラッディーリーフ……ッ!!」

次の瞬間、千景は腰から提げたソードに手をかけながら、隠し階段の奥を睨み付けながらそう言った。
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