命の重さと確執と・・・

???side

どうしてこんなことになってしまったのでしょうか………

「…ぅっ!?…ぅあぁ…っ!!」

私は覚えている。天に追いつめられた世界を。地と共に立ち向かった五人の勇者達を。

彼女達の無事の帰還を想い、私は巫女として地へと祈った。幾度いくたびの戦いの果て、最後まで生きて帰ってきたのは、愛する幼馴染みだけだった。

「ああっ、あああああっ!」

残された者として、幼馴染みと長い年月をかけて未来を繋げることができた。

だからだろうか。

今世において、私はまたも巫女として産まれた。それも、祈ることで自然環境に干渉できる。人間が抗えない自然の摂理に、限度があれど干渉できる自分に正直恐怖を覚えた。

それでも生活できたのは、産まれ育った地が俗世から離れた秘境の集落だったこと。
そして、あの幼馴染みが今世でも幼馴染みとして側にいてくれた。それも私と同じように記憶を持って。

だから心強かった。悩んだり怖くなった時は二人で思い出話に花を咲かせた。時間が止まったような静かな集落。前世とは違って、何かに追われることなく気楽に過ごすことができた。

……あの日までは……
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