命の重さと確執と・・・

「わかってるよぉ~。たきな……特に今回のは今まで以上に危険だってくらい……ね……」

「………」

対する千束は少し真剣な表情になりながらそう言う。

「それでは離陸します。しっかり捕まって下さい。」

「えぇ、お願い。」

「Let's Go!!」

バババババババババッ!!

そうして四人を乗せたヘリは離陸し、くだんの研究所へと向かっていく。

「さてと、今のうちに二人にも渡しておくわね……」

「お?」

「?梨紗さん、この弾は…?」

空の道中、梨紗がそう言いながら手渡してきた小箱の中身を見て、千束とたきなの二人は首を傾げながらそう言う。

中には灰色に白いラインが入った弾頭の銃弾が入っている。

炸裂弾バーストバレット……対G装備用に開発した特殊弾よ。」

「特殊弾!?」

「うはっ!バーストバレットなんて映画にありそうな名前!!」

非殺傷ゴム弾は勿論、通常の弾でもG装備の装甲は撃ち抜けないからね……現地で二人がG装備に遭遇した時のための備えよ。」

「当然、私と姉さんも同じ弾を持っているわ。」

「へぇ~っ!」

「……これ、梨紗さんが作ったんですか?」

「いや。うちの身内にはそういうのを作るのが得意な子がいてね……その弾はその子の作品の一つよ。」

「なるほど……かなり丁寧に作られてますね……まさに職人の技を感じます……」

「っていうか梨紗姉の人脈ってどうなってるの……」

「色々とあるのよ……っとあれが問題の場所ね……」

四人がそう話しているなか、山奥に隠されていた、植物に覆われた廃墟が見えてくる。

「あれがそうなんですか?G装備が隠されている研究所だから、てっきりこう近未来的なものを想像していたんですが……」

「いやいや。たきな、いくらこんな山奥でもそんなわかりやすい訳ないだろ。寧ろ映画とかだとああやってカモフラージュしてるのが定番だよ。」

「どうでもいいから早くパラシュートを着けなさい。今から飛び降りるんだから……」

廃墟を見ながらそう話をするたきなと千束に対し、千景はそう言いながらパラシュートを着用する。

「………」

「?姉さん?」

「どうしたの?梨紗姉。」

「なんでもないわ……私達が降下した後、すぐさまこの空域から離脱。連絡がくるまで待機しておいて下さい。」

「了解。どうかお気をつけて。」

「それじゃあ、行くわよ……っ!!」

「アイキャンフラァ~イッ!!」

そうしてパラシュートを着けた四人はヘリから飛び降り、廃墟付近に向かって降下する。

「……これ、敵に見つかって迎撃されたら蜂の巣ですね。」

「ちょいちょいちょいっ!?たきな、それは洒落にならないって!!?」

「あぁ~、多分、その心配はいらないと思うわよ。」

「ッ!!」

バァッ!!

空気抵抗を受けながらそう話をする二人に梨紗がそう言うなか、千景は冷静にパラシュートを展開する。

他の三人も同じようにパラシュートを展開し、四人はゆっくりと廃墟の前へと降下した。
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