命の重さと確執と・・・
ブロロロ……ッ!!
「あの……ところで聞きそびれていたのですが……」
「なに?」
「リリベルとは何ですか?先程の梨紗さんとクルミのやりとりでは『男連中』とだけ聞こえたんですが……」
梨紗の運転によるミズキのSUVで移動中、後部座席で千束の隣に座っているたきながふとそう尋ねる。
「あぁ、リリベルのことはリコリスでもファーストしか知らされてなかったっけ……」
「簡単に言えば、リコリス の男版よ。もっとも、リコリス は暗殺が得意としているのに対し、リリベル は軍隊よろしくな集団によるリンチ…もとい制圧を得意としているけど……」
「うはっ!梨紗姉、リンチとか……」
「実際、組織に不都合と判断されれば、リコリス一人に集団で襲いかかってくる連中なんだから間違いではないでしょ。」
「あぁ、それは言えてる……私も昔は何度も襲われたし……」
「?どういうことですか?」
リリベルについて、そう話をする千束と梨紗に対し、たきなは首を傾げながらそう尋ねる。
「現在のリリベルの主な任務はDAにとって不都合だと判断されたリコリスの『処刑』なのよ。」
「!?」
「それに十年前の『旧電波塔事件』までは彼らがDAの主導権を握っていたらしいんだけど……」
「その『旧電波塔事件』でテロリスト達の鎮圧に駆り出されていたリリベル達は返り討ちに遭って全滅。直後に当時は七歳にしてファーストに上り詰めていた千束が一人で鎮圧に成功し、解決したことで立場が逆転して現在 に至るわ……」
「あの事件にそんな裏側が……」
「あはは……まぁ、結局、電波塔は折られちゃったけどね……」
『旧電波塔事件』に隠されていた二つの組織の確執について、そう呟くたきなに対し、当事者である千束は照れくさそうにそう言う。
「そういった性質や背景もあって、リコリスとリリベルの間には未だに確執があるわ……私個人としては嫌いではないけど、好戦的や嗜虐的な輩が多い連中だからあまり関わりたくないのよね………」
「………」
そんななか、梨紗はリリベルに対する不快感を顕 にしながらそう言い、助手席に座っている千景も同じように不快感を表情に出す。
「ひょっとしてリリベルが今回、G装備の回収に乗り出したのは……」
「まぁ、察するに回収に成功した実績とG装備の“力”を利用して、かつての栄誉を取り戻そうとしたんでしょうね。結局は十年前と同じく返り討ちに遭っているみたいだけど……」
「うはっ!ダッセッ!!」
「ですが、実物を知らなければ、過小評価しても仕方ないかもしれません。」
名誉回復のためのG装備の回収に失敗しているリリベルに千束が思わず笑いながらそう言うなか、たきなは冷静にそう言う。
「一方で理解している楠木司令は、G装備関連の任務は必ず姉さんに回してくれているのね。」
「そういうこと。話を戻すけど、私達はこれからリコリス用のヘリポートへ向かって、そこでヘリに乗り換えて向かうわ。地上で行くより、空から行った方が早いからね。」
千景と梨紗がそう話をするなか、四人を乗せたSUVはヘリポートに到着する。
バババ……ッ!!
「大至急このポイントに向かって。着陸はしなくて良い、上空から直接降下するから。」
SUVからヘリに乗り換えた後、梨紗はそう言いながら、PDIに映した地図 を操縦席にいるスタッフに見せる。
「了解。」
「うはっ!なんか映画みたい!!」
「千束さん、仕事ですよ。」
そんななか、楽しげにそう言う千束に対し、たきなは少し呆れながらそう言った。
「あの……ところで聞きそびれていたのですが……」
「なに?」
「リリベルとは何ですか?先程の梨紗さんとクルミのやりとりでは『男連中』とだけ聞こえたんですが……」
梨紗の運転によるミズキのSUVで移動中、後部座席で千束の隣に座っているたきながふとそう尋ねる。
「あぁ、リリベルのことはリコリスでもファーストしか知らされてなかったっけ……」
「簡単に言えば、
「うはっ!梨紗姉、リンチとか……」
「実際、組織に不都合と判断されれば、リコリス一人に集団で襲いかかってくる連中なんだから間違いではないでしょ。」
「あぁ、それは言えてる……私も昔は何度も襲われたし……」
「?どういうことですか?」
リリベルについて、そう話をする千束と梨紗に対し、たきなは首を傾げながらそう尋ねる。
「現在のリリベルの主な任務はDAにとって不都合だと判断されたリコリスの『処刑』なのよ。」
「!?」
「それに十年前の『旧電波塔事件』までは彼らがDAの主導権を握っていたらしいんだけど……」
「その『旧電波塔事件』でテロリスト達の鎮圧に駆り出されていたリリベル達は返り討ちに遭って全滅。直後に当時は七歳にしてファーストに上り詰めていた千束が一人で鎮圧に成功し、解決したことで立場が逆転して
「あの事件にそんな裏側が……」
「あはは……まぁ、結局、電波塔は折られちゃったけどね……」
『旧電波塔事件』に隠されていた二つの組織の確執について、そう呟くたきなに対し、当事者である千束は照れくさそうにそう言う。
「そういった性質や背景もあって、リコリスとリリベルの間には未だに確執があるわ……私個人としては嫌いではないけど、好戦的や嗜虐的な輩が多い連中だからあまり関わりたくないのよね………」
「………」
そんななか、梨紗はリリベルに対する不快感を
「ひょっとしてリリベルが今回、G装備の回収に乗り出したのは……」
「まぁ、察するに回収に成功した実績とG装備の“力”を利用して、かつての栄誉を取り戻そうとしたんでしょうね。結局は十年前と同じく返り討ちに遭っているみたいだけど……」
「うはっ!ダッセッ!!」
「ですが、実物を知らなければ、過小評価しても仕方ないかもしれません。」
名誉回復のためのG装備の回収に失敗しているリリベルに千束が思わず笑いながらそう言うなか、たきなは冷静にそう言う。
「一方で理解している楠木司令は、G装備関連の任務は必ず姉さんに回してくれているのね。」
「そういうこと。話を戻すけど、私達はこれからリコリス用のヘリポートへ向かって、そこでヘリに乗り換えて向かうわ。地上で行くより、空から行った方が早いからね。」
千景と梨紗がそう話をするなか、四人を乗せたSUVはヘリポートに到着する。
バババ……ッ!!
「大至急このポイントに向かって。着陸はしなくて良い、上空から直接降下するから。」
SUVからヘリに乗り換えた後、梨紗はそう言いながら、PDIに映した
「了解。」
「うはっ!なんか映画みたい!!」
「千束さん、仕事ですよ。」
そんななか、楽しげにそう言う千束に対し、たきなは少し呆れながらそう言った。