命の重さと確執と・・・
梨紗side
「梨紗姉ーっ!カプチーノといちご大福、2セットーっ!」
「はいはい……ちょっと待っててね。」
クルミを匿ってから数週間が経った。
あれからリコリスとしての仕事も少なく、私達は四人ともリコリコに勤しんでいた。
「………」
が、未だに私の頭にあの歌声がこびりついていた。
(お母さんが………歌手をしていたなんて知らなかった………だって家にも、店にもそんなもの置いてなかった………『鳴護アリサ』について、調べてみたけど、本名は非公開。それどころか事務所のデータベースからも抹消されていた………)
「はい。カプチーノといちご大福2セットね。」
2セットを乗せたトレーを千束に渡しながらも母のことを考える。
思い浮かぶは店でエプロンを着け、優しく微笑む桜髪の母の姿。
私にとっては喫茶店を営む優しい母だった。
「お母さんは………どうして………」
思わず口から小さく漏れる言葉。それに応えられる者が居る訳がなく、周囲の音に搔き消される。
ピピッ……ピピッ……
そんななか、ポケットに入れていたPDIから着信を知らせる音が聞こえてくる。
「すいません、マスター。ちょっとここをお願いします。」
「ん。わかった。」
マスターに一言断りを入れてから、私は一旦裏へと移動する。
PDIを開くと、通信の相手は楠木司令だった。
「(ピッ!!)もしもし?こちら、梨紗です。」
『梨紗、緊急任務だ。四人で至急、リリベルの応援に行ってもらいたい。』
「?リリベルの?リコリスの私達に何故?」
『どうやら例の最新兵器を狙ったようだが、返り討ちに遭っているらしい。』
「チッ!……これだから上の連中は……っ!!」
最新兵器…G装備を狙った結果、返り討ちに遭っているというリリベルと、それを指示してやらせたであろうリリベル司令と上層部に思わず舌打ちしてしまう。
G装備 の危険性が何故、わからない……っ!!
「……機体の特徴は?」
『わからん。リリベル も混乱しているようで要領を得なかった……』
「クソッ!!」
G装備 を目の前にして混乱するのは仕方ないにしろ、もう少しは情報寄越しなさいよ……っ!!
「……任務了解。すぐに三人を連れて行くわ。」
『すまない。後でその端末に場所の座標と詳細を送る……頼んだぞ……』
プツンッ!!
そうして司令との通信が切れると同時に、赤いマーキングがされた地図 が画面に表示される。
……場所はどっかの山奥みたいね……
「……たきなはともかく千束は初めてのG装備関連の任務ね……」
私はそう呟きながら三人の元へと向かう。
……とりあえず触らぬG装備 に安易に近付いたリリベルは後でぶん殴ることを誓いながら……
「千束、たきな、千景。三人とも、至急更衣室に来て。」
店に戻った直後、丁度お客もいなくなったタイミングだったのもあって、店内を清掃していた三人に声をかける。
「あっ、梨紗姉……」
「わかりました。」
「すぐに行きます。」
「梨紗。何かあったのか?」
「先程、楠木司令から緊急任務が入りました。詳しい詳細は後でクルミのパソコンに転送します……それとミズキさん。すいませんが、車借りますね。」
「ん、あんたなら大丈夫だろうけど、壊さないでねぇ~。」
マスターとミカさんにそう言った後、更衣室に入る。
そして制服に着替えながら、イヤホンタイプの特殊無線を左耳に着ける。
「クルミ、緊急任務よ。内容はG装備の破壊。リリベル………男連中の救護も兼ねてるからオペレートをお願い。」
『G装備………あの人型か?』
「人型とは限らないわ。詳細はわからないけど、回収しようとしたリリベルが返り討ちに遭っているくらいよ。座標と情報は後で送るわ。」
『あいよ。わかった。』
「頼んだわよ。」
そうしてクルミとの通信を一旦切り、先程司令からPDIから送られてきた情報をクルミのパソコンに送る。
そうしている間に千束達三人も入ってきて着替え始めた。
「梨紗姉ーっ!カプチーノといちご大福、2セットーっ!」
「はいはい……ちょっと待っててね。」
クルミを匿ってから数週間が経った。
あれからリコリスとしての仕事も少なく、私達は四人ともリコリコに勤しんでいた。
「………」
が、未だに私の頭にあの歌声がこびりついていた。
(お母さんが………歌手をしていたなんて知らなかった………だって家にも、店にもそんなもの置いてなかった………『鳴護アリサ』について、調べてみたけど、本名は非公開。それどころか事務所のデータベースからも抹消されていた………)
「はい。カプチーノといちご大福2セットね。」
2セットを乗せたトレーを千束に渡しながらも母のことを考える。
思い浮かぶは店でエプロンを着け、優しく微笑む桜髪の母の姿。
私にとっては喫茶店を営む優しい母だった。
「お母さんは………どうして………」
思わず口から小さく漏れる言葉。それに応えられる者が居る訳がなく、周囲の音に搔き消される。
ピピッ……ピピッ……
そんななか、ポケットに入れていたPDIから着信を知らせる音が聞こえてくる。
「すいません、マスター。ちょっとここをお願いします。」
「ん。わかった。」
マスターに一言断りを入れてから、私は一旦裏へと移動する。
PDIを開くと、通信の相手は楠木司令だった。
「(ピッ!!)もしもし?こちら、梨紗です。」
『梨紗、緊急任務だ。四人で至急、リリベルの応援に行ってもらいたい。』
「?リリベルの?リコリスの私達に何故?」
『どうやら例の最新兵器を狙ったようだが、返り討ちに遭っているらしい。』
「チッ!……これだから上の連中は……っ!!」
最新兵器…G装備を狙った結果、返り討ちに遭っているというリリベルと、それを指示してやらせたであろうリリベル司令と上層部に思わず舌打ちしてしまう。
「……機体の特徴は?」
『わからん。
「クソッ!!」
「……任務了解。すぐに三人を連れて行くわ。」
『すまない。後でその端末に場所の座標と詳細を送る……頼んだぞ……』
プツンッ!!
そうして司令との通信が切れると同時に、赤いマーキングがされた
……場所はどっかの山奥みたいね……
「……たきなはともかく千束は初めてのG装備関連の任務ね……」
私はそう呟きながら三人の元へと向かう。
……とりあえず触らぬ
「千束、たきな、千景。三人とも、至急更衣室に来て。」
店に戻った直後、丁度お客もいなくなったタイミングだったのもあって、店内を清掃していた三人に声をかける。
「あっ、梨紗姉……」
「わかりました。」
「すぐに行きます。」
「梨紗。何かあったのか?」
「先程、楠木司令から緊急任務が入りました。詳しい詳細は後でクルミのパソコンに転送します……それとミズキさん。すいませんが、車借りますね。」
「ん、あんたなら大丈夫だろうけど、壊さないでねぇ~。」
マスターとミカさんにそう言った後、更衣室に入る。
そして制服に着替えながら、イヤホンタイプの特殊無線を左耳に着ける。
「クルミ、緊急任務よ。内容はG装備の破壊。リリベル………男連中の救護も兼ねてるからオペレートをお願い。」
『G装備………あの人型か?』
「人型とは限らないわ。詳細はわからないけど、回収しようとしたリリベルが返り討ちに遭っているくらいよ。座標と情報は後で送るわ。」
『あいよ。わかった。』
「頼んだわよ。」
そうしてクルミとの通信を一旦切り、先程司令からPDIから送られてきた情報をクルミのパソコンに送る。
そうしている間に千束達三人も入ってきて着替え始めた。