ウォールナットを逃がせ!!

「まさか……わざと撃たれたんですかっ!?」

「あぁ、ミカかれのアイディアだ。」

「っていうか梨紗姉と千景もグルだったの!?」

困惑しながらそう尋ねるたきなにクルミがそう答えるなか、千束はそう尋ねる。

「私はね。千景はさっきの廃スーパーでの最後の指示の時まで何も知らせてなかったけど……」

「正直、怪しいとは思っていたけどね。」

対する梨紗と千景は冷静にそう答える。

「あぁ~、最後は映画顔負けの大爆発も用意してたのに……無駄になったかぁ……」

「早く終わって良かったじゃないか。」

残念そうにそう言うミズキにミカがそう言うなか、クルミはVRゴーグルを外す。

「想定外の事態にきちんと対処して見事だった……流石はDA最強とうたわれる『鷹の目』だな………」

「どうも……」

「ちょ、ちょっと待って!色々聞きたいことあるけど……結局は全部予定通りで……誰も死んでない―――ってこと?」

「そういうこと♪」

「あ、あぁ~、良かった。皆無事で……」

「この子、金払いがめっちゃ良いから命賭けちゃったよ♪」

まさかの結果オーライな真相に千束がそう言いながら脱力するなか、ミズキは笑顔でそう言う。

「もう~死なせちゃったと思ったしぃ~っ、んああもうよかったっ!!」ガバッ!!

「おわっ!?」

次の瞬間、千束はそう言いながらクルミに抱きつく。

「無事でよかった。ホント……ホントッ!!」

「………」

心から喜ぶ千束の姿に梨紗は静かに微笑む。

そうして最初とは打って変わって和気あいあいな雰囲気の緊急車輌はリコリコへと向かっていった。
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