ウォールナットを逃がせ!!

「クルミ。大丈夫?」

ミハエル達から離れた後、梨紗は別無線でスーツケースの中にいる本人クルミと連絡を取る。

『きゅ~……』

「……やっぱぶん投げられた衝撃とかで気絶しているか……」

「『クルミ』というのはウォールナットの本名であのスーツケースの中身が本体ですか……」

ため息混じりにそう言う梨紗に対し、千景は真剣な表情でそう言う。

「そういうこと……ミズキさん、ウォールナットがダウンした以上、ここで決めます。千景は今さっき、こっちに引き込んだんで、後はそっちの二人に気付かれないように上手くやってください。衝撃が何発も来るだろうけど、頑張って堪えて。」

対する梨紗はそう答えた後、別無線で着ぐるみミズキにそう指示を出す。

ピコンッ!

直後、梨紗のPDIにメールで『OK』というメール返答が届く。

「という訳だから。悪いけど、ここから少しの間だけ付き合ってもらうわよ。千景。」

「はぁ……わかりました……」

これから起こるだろう茶番劇・・・に千景は思わずため息を吐きながらそう了承した。
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