ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ！！

右側の従業員用出入口付近にて、ミハエルを含む三人の傭兵がアサルトライフルを乱射する。

「フッ！！」

そんな銃弾の雨を掻い潜りながら、梨紗は速度を落とさずに二人の傭兵の間を駆け抜ける。

ドカッ！ドカッ！

「ぐっ！？」

「がはっ！？」

ドサッ！！ドサッ！！

その際、梨紗はすれ違い様にソードCHGで一撃ずつ峰打ちを食らわせ、意識を刈り取る。

「くっ……！！」

(早い…！銃では返って不利かっ！！)

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ！！

それを見たミハエルはそう思いながら、左手でアサルトライフルを握って撃ちながら右手でサバイバルナイフを握って構える。

「ッ！！」

ズバァァァンッ！！

対する梨紗はその銃撃を最小限の動きで避けながら、ソードCHGでミハエルのアサルトライフルの銃身を斬り捨てる。

「ッ！！」

(貰ったぞっ！！)

その瞬間を狙っていたミハエルはそう思いながら右手のサバイバルナイフを突き立てようとする。直後ーーー

ゴキッ！！

「がっ……！？」

「………」

梨紗の左手によって振り抜かれた鞘がミハエルのサバイバルナイフを握っている右腕に叩き込まれ、右腕があり得ない方向に曲がる。

「ッ～～！！？」

ドカァァァンッ！！

「がはぁっ！？」

ドサッ！！

腕の激痛に思考が停止した直後、梨紗から更に回し蹴りを食らったミハエルはそのまま壁に叩きつけられる。

「くっ……！？」

「………」

全身の激痛にやっとの思いで顔を上げたミハエルの視線の先には、ソードが外された梨紗のCHGの銃口………

(ここまでか……)

銃口を見たミハエルはそう思いながら瞳を閉じ、覚悟を決める。

「ジ・エンド……」

それを見た梨紗はそう言いながら引き金を引くーーー

ガッシャァーーンッ！！

直前に何かが叩きつけられたような大きな物音が聞こえてくる。

「！？」

「……はぁ……深沙希。今、そっちから物音がしたと思うんだけど、たきながまた何かやった？」

突然の物音にミハエルの目が見開くなか、梨紗はため息を吐きながら突きつけていたCHGを下ろし、特殊無線でそう尋ねる。

『えっとですね……たきなさんが、ではなく千束さんがクルミさんを思い切りぶん投げて、敵の一人を無力化しました……』

「……はぁ……？」

が、深沙希から上がってきた報告の内容に思わずそう声を上げた。