ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ！！

「たきなぁーっ！！なんかそれ、ダメらしいよ！！？」

時を少し遡り、購買ブースにて、千束はスーツケースを盾にしているたきなにそう声をかける。

「無茶言わないで下さい！！」

パァンッ！！

「ぐはっ！？」

対するたきなはそう言いながら発砲し、フォレストの右脇腹に被弾させる。

「ぐっ……くそっ…！こちらフォレスト、あのガキ、思ったよりも」

『へカートだとっ！？』

『剣だと！？……くそっ！！』

負傷したフォレストは右脇腹の傷口を押さえながら、インカムでそう他の仲間に報告する。

が、インカムの向こうからはミハエルや他の傭兵の困惑の声が聞こえてくる。

「……ちっ！！」

(へカートって対物ライフルじゃねぇか……！それにアサルトライフル相手に剣で突っ込むとか……！通信を聞く限りじゃこっちがやられてるじゃねぇか……っ！！)

「女子高生の見た目で化け物か……っ！！」

「ッ！！」

フォレストがそう悪態を吐くなか、バックヤードの通路では仲間の傭兵が千束を始末しようと手榴弾のピンを外す。

「とうっ！！」ﾊﾟｼｯ!!

「あっ！？」

が、一瞬の隙を突いて肉簿した千束に手元から手榴弾を弾き落とされる。

コォーン……

弾き落とした後、千束はその手榴弾を近くのトイレに蹴り入れ、扉を閉める。

「くそっ！！」

そんな千束に傭兵はそう言いながら、アサルトライフルを構えようとする。

「………」

「！？」

「ほい残念。」

が、千束は素早く傭兵の右の脇に左腕を滑り込ませながら関節を決めて、投げ飛ばす。

その先はつい先程、ピンが外された手榴弾が蹴り入れられたトイレ……

「………」ﾋﾗﾋﾗ

「ちょっ、待っ」

ドカァァァンッ！！

「ぐわっはぁっ！！？」

ドサッ！！

千束が笑顔で手を振るなか、トイレに蹴り入れられた手榴弾が爆発する。

扉が閉められていたことで直撃は免れたものの爆発で勢いよく吹き飛んだ扉を背中から受けた傭兵はそのまま前のめりになって気絶する。

「千束さん！」

その直後、購買ブースとの従業員用出入口からスーツケースを押したたきながそう言いながら、着ぐるみ（ウォールナット）と共に合流してくる。

同時に奥の方から先程、たきなに右肩に傷を負わされた傭兵を含む二人の傭兵が現れ、アサルトライフルを構えようとする。

「たきな！ちょっとスーツケースを貸してっ！！」

「ッ！はいっ！！」

『ちょっと待てっ！また盾にする気かっ！？』

再び慌てる着ぐるみ（ウォールナット）を他所にたきなはキャリアを利用して勢いつけ、スーツケースを千束に目掛けて一気に走らせた。