「はい。追っ手を迎え撃つためにその廃スーパーに避難しています。梨紗さんと千景さんとは一旦別行動を取ってますが、五人とも目立った傷は一切ありません。」

『わかった。くれぐれも気を付けて、無理のないように行動してくれ。』

その頃、荒れ果てた購買ブースで千束と着ぐるみ（ウォールナット）と行動を共にしているたきながインカムでそうミカに報告している。

ブブブ……

そんななか、外から新たに飛ばされたロボ太のドローンが飛行していた。

ロボ太'sルーム・・・

「ふふ……全部お見通しなんだよねぇ～♪指示を出すぞ。よく聞け……」

ドローンが捉えている廃スーパーの敷地全体の映像を見ながら、ロボ太はスマホで現場の武装集団に指示を出す。

廃スーパー内、購買ブース・・・

「梨紗姉達との合流予定の裏口に向かいます。ついてきて下さい。」

そう言う千束を先頭に着ぐるみ（ウォールナット）、たきなの順で移動を開始する。

「いたぞ！！」

「ッ！？」

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ！！

が、物陰から現れたサブリーダー、フォレストを含む二人の傭兵に発見され、アサルトライフルの銃弾の雨に晒される。

「くっ！！」

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ！！

真っ先に狙われたたきなは咄嗟に預かっていたスーツケースを盾にして凌ぐ。

「三人発見！銃を持ってる！！」

「よっとぉっ！！」

ドォンッ！ドォンッ！

フォレストがインカムでそう仲間に伝えているなか、商品棚を踏み台に跳び上がった千束がフランジブル弾を二発撃ち放つ。

「ぐわっ！？がはっ！？」

「ッ！！」

パァンッ！！

「ぐっ！？」

千束が放った二発のフランジブル弾を食らって怯んだ隙にたきなが放った銃弾が傭兵の右肩に掠り、傷を負わせる。

「くそっ！！」

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ！！

『ちょ、ちょちょっと！？盾にするのは無しだぁぁぁっ！！？』

傷を負わされた部下をカバーするためにフォレストがアサルトライフルを乱射するなか、スーツケースを盾にされていることに気付いた着ぐるみ（ウォールナット）がそう声を上げる。

『大事なもの（・・・・・）だって言っただろぉっ！！大切に扱ってくれぇーーーっ！！！』

次の瞬間、彼女（・・）の悲痛な叫び声が廃スーパー内に響き渡った。