ウォールナットを逃がせ!!
「ところでさぁ……私、お腹空いたんだけど……」
「はぁ……駅弁買う時間なんてないですよ。」
「えぇ~……」
「はぁ……」
「お?」
東京駅にて、呆れながらそう言うたきなにぶう垂れる千束に対し、千景はため息を吐きながらバッグから取り出したラップに包んだサンドイッチを手渡す。
「さっき、吉松さんにお出しした分と合わせて作った角煮サンド。電車内でそれを食べて。」
「おぉ~!千景、ナイスゥ~!」
「……はい。これは貴女の。」
「あ。ありがとうございます……」
「それじゃあ、行きましょうか。」
たきなにも角煮サンドを手渡した後、千景はそう言いながら二人と共に改札口へと向かっていった。
ガタンゴトン…ガタンゴトン…
「―――逃走手順は以上です。羽田でゲートをくぐった辺りでミズキさんに交代」
「井ノ上さん。説明しているところ、悪いけど……」
梨紗とウォールナットとの合流地点に向かう特急電車に乗っている最中、作戦について、説明しているたきなの言葉を遮りながら隣にいる千景は目の前に視線をやる。
「♪」
視線の先では千束が角煮サンドと千景の手にある保冷パックの中から割り箸で取ったおかずを夢中になって頬張っている。
「……聞いてますか?」
「ん~、きいれふきいれふ……」
「口に入ったまま、喋らないでくれる?」
呆れながらそう言うたきなにそう言う千束に対し、千景も呆れながらそう言う。
「(ゴクッ!!)ところでさ、依頼人って凄腕のハッカーなんでしょ?どんな人なんだろう……やっぱり、眼鏡で痩せて小柄な男かな?カタカタ♪タァーン♪」
「映画の観すぎですね……」
「同感……」
「君達、仲が良いのか悪いのか、よくわからない時あるよね……」
「「そうですか?」」
「うわぁお……息ピッタリ……それにしても梨紗姉だけでなく、千景も料理が上手だね♪この卵焼きなんか優しい甘さで絶品♪」
「ッ……どうも……」
千束に誉められ恥ずかしくなったのか、千景はそっぽを向きながらそう言う。
「ほら。たきなも食べてみ?すっごく美味しいから♪」
「?」
「はい、あ~ん……」
「あ、あ~ん……」
そうして千束はたきなにも卵焼きを食べさせる。
「……」モグモグ
「美味しい?」
「美味しい、です……」
「美味しいって♪千景♪」
「ッ~~!!」
『間もなく北千住~。北千住駅です……』
「降りるわよ!十分足らずで乗り換えだから!!」
「あ。はい。」
「えぇ~!!」
そうして三人は電車を降り、次の電車へと向かった。
「はぁ……駅弁買う時間なんてないですよ。」
「えぇ~……」
「はぁ……」
「お?」
東京駅にて、呆れながらそう言うたきなにぶう垂れる千束に対し、千景はため息を吐きながらバッグから取り出したラップに包んだサンドイッチを手渡す。
「さっき、吉松さんにお出しした分と合わせて作った角煮サンド。電車内でそれを食べて。」
「おぉ~!千景、ナイスゥ~!」
「……はい。これは貴女の。」
「あ。ありがとうございます……」
「それじゃあ、行きましょうか。」
たきなにも角煮サンドを手渡した後、千景はそう言いながら二人と共に改札口へと向かっていった。
ガタンゴトン…ガタンゴトン…
「―――逃走手順は以上です。羽田でゲートをくぐった辺りでミズキさんに交代」
「井ノ上さん。説明しているところ、悪いけど……」
梨紗とウォールナットとの合流地点に向かう特急電車に乗っている最中、作戦について、説明しているたきなの言葉を遮りながら隣にいる千景は目の前に視線をやる。
「♪」
視線の先では千束が角煮サンドと千景の手にある保冷パックの中から割り箸で取ったおかずを夢中になって頬張っている。
「……聞いてますか?」
「ん~、きいれふきいれふ……」
「口に入ったまま、喋らないでくれる?」
呆れながらそう言うたきなにそう言う千束に対し、千景も呆れながらそう言う。
「(ゴクッ!!)ところでさ、依頼人って凄腕のハッカーなんでしょ?どんな人なんだろう……やっぱり、眼鏡で痩せて小柄な男かな?カタカタ♪タァーン♪」
「映画の観すぎですね……」
「同感……」
「君達、仲が良いのか悪いのか、よくわからない時あるよね……」
「「そうですか?」」
「うわぁお……息ピッタリ……それにしても梨紗姉だけでなく、千景も料理が上手だね♪この卵焼きなんか優しい甘さで絶品♪」
「ッ……どうも……」
千束に誉められ恥ずかしくなったのか、千景はそっぽを向きながらそう言う。
「ほら。たきなも食べてみ?すっごく美味しいから♪」
「?」
「はい、あ~ん……」
「あ、あ~ん……」
そうして千束はたきなにも卵焼きを食べさせる。
「……」モグモグ
「美味しい?」
「美味しい、です……」
「美味しいって♪千景♪」
「ッ~~!!」
『間もなく北千住~。北千住駅です……』
「降りるわよ!十分足らずで乗り換えだから!!」
「あ。はい。」
「えぇ~!!」
そうして三人は電車を降り、次の電車へと向かった。