ウォールナットを逃がせ!!
「接触してくるかもとは思ってたけど……まさかこんなに早く、しかもその正体が小さい少女とはね……」
「どうかした?」
約一時間後、とあるハッカー…ウォールナットの潜伏先である某ロイヤルホテルを見上げながらそう呟く梨紗に対し、ミカと共に待っていたミズキが首を傾げながらそう尋ねる。
「いえ、何も……それで今回の私の任務はその少女の護衛と影武者役を担うミズキさんのサポート……で良いんですよね?」
「そっ。私が着ぐるみを着て、あの子の代わりに撃たれて死んだと見せかける……良い作戦でしょ?前払いで通常の三倍の報酬が一括で手に入る上にかかった費用も向こう持ちだから、血糊が派手に出る防弾性のものを奮発して用意したわ♪」
改めて作戦の内容を確認する梨紗に対し、ミズキは笑顔で右手の親指と人差し指で輪を作りながらそう言う。
(目が諭吉になってる……)
「……千景や千束達には?」
「三人には先程、電話で話した『国外への亡命の手助け』とだけ伝えるつもりだ。」
そんなミズキをスルーしながらそう尋ねる梨紗に対し、ミカはそう答える。
「なるほど……『敵を騙すなら、まずは味方から』ってことですか……」
「そういうことだ。それでは私は店に戻るから、梨紗は引き続き護衛を頼む。番号は1075号室だ。」
「私は車と着ぐるみの用意に入るから、出来次第連絡するわね。」
「了解です。」
そうして梨紗はミカとミズキの二人と別れる。
「……聞いていたわね?深沙希。」
「はい。お嬢様。」
二人と別れた直後、梨紗がそう言った瞬間、何処からともかく黒い特殊スーツに身を包んだ深沙希がそう言いながら現れる。
「悪いわね。ついさっきの今で急に呼び出して……」
「いいえ。問題はございません。」
「聞いての通り、依頼人はウォールナット。マスターを信じていない訳じゃないけど、確信を得るまでは警戒して貴女の能力で侵入、一人での素の様子を見るわ。」
「承知致しました。」
深沙希がそう言いながら梨紗に触れた瞬間、梨紗の姿が周りの景色と同化して見えにくくなる。
続いて、深沙希自身も周りの景色と同化して見えにくくなる。
その後、二人は顔を見合わせ、頷き合ってからホテル内に入った。
カタカタ…カタカタ…
「護衛が来るって話だが………いつ来るんだ……うぅ………早く来てくれぇ……」
1075号室内にて、癖のある長い金髪のオールバックに黒いウサ耳リボン、リスがデザインされたダボダボのパーカー姿の少女が不安げにそう呟きながらベッドの上でパソコンを弄る。
「なるほど……どうやら本物のようね。」
「想像以上にお若い方のようですね。」
「ひぃっ!?」
そんななか、そう言いながら姿を現す梨紗と深沙希に少女は思わず悲鳴を上げる。
「安心して、リコリコ所属のファーストリコリスよ。深沙希、周辺の調査をお願い。」
そんな少女に梨紗はそう言いながら、深沙希にそう指示を出す。
「承知致しました。」
対する深沙希はそう言いながら、自身の能力で再び姿を消した。
「どうかした?」
約一時間後、とあるハッカー…ウォールナットの潜伏先である某ロイヤルホテルを見上げながらそう呟く梨紗に対し、ミカと共に待っていたミズキが首を傾げながらそう尋ねる。
「いえ、何も……それで今回の私の任務はその少女の護衛と影武者役を担うミズキさんのサポート……で良いんですよね?」
「そっ。私が着ぐるみを着て、あの子の代わりに撃たれて死んだと見せかける……良い作戦でしょ?前払いで通常の三倍の報酬が一括で手に入る上にかかった費用も向こう持ちだから、血糊が派手に出る防弾性のものを奮発して用意したわ♪」
改めて作戦の内容を確認する梨紗に対し、ミズキは笑顔で右手の親指と人差し指で輪を作りながらそう言う。
(目が諭吉になってる……)
「……千景や千束達には?」
「三人には先程、電話で話した『国外への亡命の手助け』とだけ伝えるつもりだ。」
そんなミズキをスルーしながらそう尋ねる梨紗に対し、ミカはそう答える。
「なるほど……『敵を騙すなら、まずは味方から』ってことですか……」
「そういうことだ。それでは私は店に戻るから、梨紗は引き続き護衛を頼む。番号は1075号室だ。」
「私は車と着ぐるみの用意に入るから、出来次第連絡するわね。」
「了解です。」
そうして梨紗はミカとミズキの二人と別れる。
「……聞いていたわね?深沙希。」
「はい。お嬢様。」
二人と別れた直後、梨紗がそう言った瞬間、何処からともかく黒い特殊スーツに身を包んだ深沙希がそう言いながら現れる。
「悪いわね。ついさっきの今で急に呼び出して……」
「いいえ。問題はございません。」
「聞いての通り、依頼人はウォールナット。マスターを信じていない訳じゃないけど、確信を得るまでは警戒して貴女の能力で侵入、一人での素の様子を見るわ。」
「承知致しました。」
深沙希がそう言いながら梨紗に触れた瞬間、梨紗の姿が周りの景色と同化して見えにくくなる。
続いて、深沙希自身も周りの景色と同化して見えにくくなる。
その後、二人は顔を見合わせ、頷き合ってからホテル内に入った。
カタカタ…カタカタ…
「護衛が来るって話だが………いつ来るんだ……うぅ………早く来てくれぇ……」
1075号室内にて、癖のある長い金髪のオールバックに黒いウサ耳リボン、リスがデザインされたダボダボのパーカー姿の少女が不安げにそう呟きながらベッドの上でパソコンを弄る。
「なるほど……どうやら本物のようね。」
「想像以上にお若い方のようですね。」
「ひぃっ!?」
そんななか、そう言いながら姿を現す梨紗と深沙希に少女は思わず悲鳴を上げる。
「安心して、リコリコ所属のファーストリコリスよ。深沙希、周辺の調査をお願い。」
そんな少女に梨紗はそう言いながら、深沙希にそう指示を出す。
「承知致しました。」
対する深沙希はそう言いながら、自身の能力で再び姿を消した。