ウォールナットを逃がせ!!

『へっ!『アラン機関』とは!世界的に展開される謎の支援機関だ!!実際、個人か組織かもよくわからんが、貧困や障害を抱える『天才』を探しだし!無償の支援を行っている!!』

電脳空間にて、一体のロボットアバターがそう熱弁する。

『スポーツ、文学、芸能、科学等幅広く』

『そんな子どもでも知っているようなことを聞きにきたんじゃない。』

そんなロボットアバターに対し、もう一体のリスアバターが遮りながらそう言う。

『……つまりぃ~、殺しをやるような連中じゃないってこと。』

『奴がボクを消そうとしたのは確実だ。問題はどうしてボクのマンションを特定できたのか……』

『……ドッカァ~ン!』

ロボットアバターがそう言った瞬間、電脳空間内にモニターが出現する。

同時に現実世界での一ヶ月前に起きたビルの爆発の瞬間のリプレイが流れる。

『……よく撮れているなぁ……』

『そうだろう?この度、ドローンを新調したからなぁ♪』

リプレイを見ながらそう言うリスアバターに対し、ロボットアバターはそう言って自慢する。

『今、いる場所はダミーじゃないんだろう?ウォールナット・・・・・・・ォ?』

『やはりお前か……』

ジジッ……ジジッ……

通信が切れ始めたのか、電脳空間内にノイズが入り始める。

『お前が……奴にボクを売ったんだな……』

次の瞬間、通信が完全に切れた。
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