理想と現実
「ところで、このことは店長やミズキさん、本部には?」
「マスターとミズキさんの二人には後で話して協力をお願いするつもりだけど、本部には銃取り引きとブラッディーリーフのことだけに留めておきたい……」
「?なんで?」
G装備については本部には報告しないという梨紗に対し、千束は首を傾げながらそう尋ねる。
「下手に情報を与え過ぎれば、本部っていうか上層部もG装備を欲しがる可能性が出てくるからね。未だにG装備関連の任務も表向きは『回収』目的だし……」
「そういえば、私が参加した任務の時も最終的には破壊することになりましたが、当初は『回収』目的でしたね。」
「あぁ~、言われてみれば確かに上の人達も欲しがるかもね。これ……」
梨紗がため息混じりにそう言い、たきなも一年前のことを思い出しながらそう言うなか、千束はPDIに映し出されたHWSリーオーを見ながらそう言う。
「だから、できるだけ情報は秘匿しておきたい……そうでなきゃ、私達がやっていることが全て無駄になる……」
(なにより、私と父さんの『夢の結晶 』を血で汚 したくない……)
「梨紗姉……」
「梨紗さん……」
哀しげな表情でそう言う梨紗の様子に何かを察したのか、千束とたきなはそう言いながらなんとも言えない表情を浮かべる。
「……大丈夫!」
「?」
「私はこう見えても口は固い!G装備のことも梨紗姉達のことも絶対に誰にも言わないって誓うよ!!」
「千束さん……」
「たきなも!絶対に誰にも言わないよね?」
そう言いながら立ち上がった後、千束はそうたきなに同意を求める。
「……秘密を護るのもリコリスの務めです。ですから、私も絶対に口外しません。」
「うんうん!そうこなくっちゃ!!」
「貴女達……」
G装備については口外しないという二人に対し、梨紗は一瞬だけ驚いたような表情を浮かべる。
「……ありがとう。」
が、少しだけ優しい笑顔でそう言う。
(あっ!梨紗姉が笑った!!)
「っし!じゃあチームリコリコ、頑張るぞぉー!オーッ!!」
そんな梨紗の笑顔を見てテンションが上がったのか、千束は右腕を突き上げながらそう宣言する。
「オー……」
「オ、オー……」
そんな千束に続いて千景は棒読みで、たきなは戸惑いながら同じようにそう言う。
「………」
梨紗に至っては何も言わずに右腕を突き上げる。
「ちょいちょいちょい!?三人とも、テンション違 くない!!?」
カランカラーン♪
三者三様の反応をする三人に千束がそうツッコミを入れるなか、一人の客が来店してくる。
「っとお客さんだ!三人とも、昨日と同じようにね!」
「はい。」
「了解よ。」
「………」
「やぁ、ミカ……」
「!?シンジ……」
「「「「いらっしゃいませー。」」」」
来店した直後、朗らかな笑顔でそう話しかけてくる茶髪のスーツ姿の男性にミカが少しだけ動揺しながらそう言うなか、梨紗達四人はそう挨拶をする。
こうして新しい顔触れが増えた喫茶店リコリコの1日が今日も始まるのだった。
「マスターとミズキさんの二人には後で話して協力をお願いするつもりだけど、本部には銃取り引きとブラッディーリーフのことだけに留めておきたい……」
「?なんで?」
G装備については本部には報告しないという梨紗に対し、千束は首を傾げながらそう尋ねる。
「下手に情報を与え過ぎれば、本部っていうか上層部もG装備を欲しがる可能性が出てくるからね。未だにG装備関連の任務も表向きは『回収』目的だし……」
「そういえば、私が参加した任務の時も最終的には破壊することになりましたが、当初は『回収』目的でしたね。」
「あぁ~、言われてみれば確かに上の人達も欲しがるかもね。これ……」
梨紗がため息混じりにそう言い、たきなも一年前のことを思い出しながらそう言うなか、千束はPDIに映し出されたHWSリーオーを見ながらそう言う。
「だから、できるだけ情報は秘匿しておきたい……そうでなきゃ、私達がやっていることが全て無駄になる……」
(なにより、私と父さんの『
「梨紗姉……」
「梨紗さん……」
哀しげな表情でそう言う梨紗の様子に何かを察したのか、千束とたきなはそう言いながらなんとも言えない表情を浮かべる。
「……大丈夫!」
「?」
「私はこう見えても口は固い!G装備のことも梨紗姉達のことも絶対に誰にも言わないって誓うよ!!」
「千束さん……」
「たきなも!絶対に誰にも言わないよね?」
そう言いながら立ち上がった後、千束はそうたきなに同意を求める。
「……秘密を護るのもリコリスの務めです。ですから、私も絶対に口外しません。」
「うんうん!そうこなくっちゃ!!」
「貴女達……」
G装備については口外しないという二人に対し、梨紗は一瞬だけ驚いたような表情を浮かべる。
「……ありがとう。」
が、少しだけ優しい笑顔でそう言う。
(あっ!梨紗姉が笑った!!)
「っし!じゃあチームリコリコ、頑張るぞぉー!オーッ!!」
そんな梨紗の笑顔を見てテンションが上がったのか、千束は右腕を突き上げながらそう宣言する。
「オー……」
「オ、オー……」
そんな千束に続いて千景は棒読みで、たきなは戸惑いながら同じようにそう言う。
「………」
梨紗に至っては何も言わずに右腕を突き上げる。
「ちょいちょいちょい!?三人とも、テンション
カランカラーン♪
三者三様の反応をする三人に千束がそうツッコミを入れるなか、一人の客が来店してくる。
「っとお客さんだ!三人とも、昨日と同じようにね!」
「はい。」
「了解よ。」
「………」
「やぁ、ミカ……」
「!?シンジ……」
「「「「いらっしゃいませー。」」」」
来店した直後、朗らかな笑顔でそう話しかけてくる茶髪のスーツ姿の男性にミカが少しだけ動揺しながらそう言うなか、梨紗達四人はそう挨拶をする。
こうして新しい顔触れが増えた喫茶店リコリコの1日が今日も始まるのだった。