感覚を掴み取れ!!
『うん!約束!じゃあ、またね!!』
「えぇ、また。」
ピッ!!
「……娘さんと仲が良いんですね。」
「えぇ。実の娘ではないけれど、本当の母親のように慕ってくれているの。」
「では何故、喫煙を?今は辞めてハッカ草にしているとしても………仕事についても隠されているようですし………」
通話を終えた後、アリサとの関係について、そう答える梨紗博士に対し、風鳴司令は改めてそう尋ねる。
「………両親を失って、片腕を失って、妹を失って………挙げ句の果てには私は愛する人も失った………正直、その時から私の心は壊れかけているの。だから、喫煙は自傷行為だった………」
「なっ………」
が、梨紗博士から出た言葉に思わず息を呑む。
「スィンからも娘からも何度も何度も止められて、それでも辞められなかった………だけどある時、娘が大泣きしながら言ったのよ。『私はお母さんを失いたくない!!』って………」
梨紗博士はそう言いながら瞳を閉じ、当時、アリサが自分に抱きつきながら流した大粒の涙を思い起こす。
「それは………危ないところでしたね。」
「えぇ。おかげで目が覚めて、あの子に同じ想いをさせずに済んだ。とはいえ、私の心が壊れかけなのは変わらないし、だから、タバコの代わりにハッカ草で紛らわせる。
あの子は私にとって希望の光なのよ。」
「そうですか……では、その娘さんに仕事を隠している理由は?」
「あの子には『安全な場所で技術研究している』とだけ伝えてるの。心配をかけたくないし、なにより危険なことには巻き込めないからね……」
「なるほど………」
「ところでさっきの話の続きなんだけど……」
「あぁ、今日、切歌君と調君の二人のメディカルチェックをするのですが念のため、梨紗博士にもメディカルチェックを受けて欲しいとエルフナイン君から……」
「そう。態々ありがとう……」
梨紗博士はそう言いながらハッカ草をくわえたまま向かおうとする。
「梨紗博士。先にそのハッカ草を消してからにしてください。」
「………副流煙に害はないわ………駄目かしら?」
「マナーとしては悪いですよ。」
「だよねぇ……冗談よ。」
梨紗博士は苦笑いしながら、そう言いながらハッカ草を近くの煙草専用のゴミ箱に消してから捨てる。
「それじゃあね。」
梨紗博士はそう言いながらその場を後にする。
「……壊れかけていると言いながらも、そんなお茶目ができる程度には立ち直れていますよ………それも娘さんのおかげですか………?」
そんな後ろ姿を見送った後、風鳴司令は空を見上げながらそう呟いた。
「えぇ、また。」
ピッ!!
「……娘さんと仲が良いんですね。」
「えぇ。実の娘ではないけれど、本当の母親のように慕ってくれているの。」
「では何故、喫煙を?今は辞めてハッカ草にしているとしても………仕事についても隠されているようですし………」
通話を終えた後、アリサとの関係について、そう答える梨紗博士に対し、風鳴司令は改めてそう尋ねる。
「………両親を失って、片腕を失って、妹を失って………挙げ句の果てには私は愛する人も失った………正直、その時から私の心は壊れかけているの。だから、喫煙は自傷行為だった………」
「なっ………」
が、梨紗博士から出た言葉に思わず息を呑む。
「スィンからも娘からも何度も何度も止められて、それでも辞められなかった………だけどある時、娘が大泣きしながら言ったのよ。『私はお母さんを失いたくない!!』って………」
梨紗博士はそう言いながら瞳を閉じ、当時、アリサが自分に抱きつきながら流した大粒の涙を思い起こす。
「それは………危ないところでしたね。」
「えぇ。おかげで目が覚めて、あの子に同じ想いをさせずに済んだ。とはいえ、私の心が壊れかけなのは変わらないし、だから、タバコの代わりにハッカ草で紛らわせる。
あの子は私にとって希望の光なのよ。」
「そうですか……では、その娘さんに仕事を隠している理由は?」
「あの子には『安全な場所で技術研究している』とだけ伝えてるの。心配をかけたくないし、なにより危険なことには巻き込めないからね……」
「なるほど………」
「ところでさっきの話の続きなんだけど……」
「あぁ、今日、切歌君と調君の二人のメディカルチェックをするのですが念のため、梨紗博士にもメディカルチェックを受けて欲しいとエルフナイン君から……」
「そう。態々ありがとう……」
梨紗博士はそう言いながらハッカ草をくわえたまま向かおうとする。
「梨紗博士。先にそのハッカ草を消してからにしてください。」
「………副流煙に害はないわ………駄目かしら?」
「マナーとしては悪いですよ。」
「だよねぇ……冗談よ。」
梨紗博士は苦笑いしながら、そう言いながらハッカ草を近くの煙草専用のゴミ箱に消してから捨てる。
「それじゃあね。」
梨紗博士はそう言いながらその場を後にする。
「……壊れかけていると言いながらも、そんなお茶目ができる程度には立ち直れていますよ………それも娘さんのおかげですか………?」
そんな後ろ姿を見送った後、風鳴司令は空を見上げながらそう呟いた。