メンテナンスルーム・・・

「エルフナインさん。この資料はこちらで宜しかったでしょうか？」

「はい。そちらで大丈夫です。ありがとうございます。」

資料を運びながらそう尋ねる雪那に対し、エルフナインはパソコン画面を見ながらそう答える。

「？何のデータをチェックしているのですか？」

「ひゃっ！？」

が、そう言いながら横からパソコン画面を覗き込む雪那に思わず変な声を上げながら、思わず顔を赤らめる。

「………」

「これはノゾミさんとセッテさんの肉体のデータですね……っとどうかしましたか？」

「い、いえ………」

「？」

(なんでしょう？この気持ち……)

雪那が首を傾げるなか、エルフナインはそう思いながら高まる胸の鼓動を抑える。

ピトッ

「！？」

「………」

そんななか、雪那がエルフナインの額に自分の額を合わせる。

「あっ……あっ……」

「熱は………なさそうですね。」

「あっ……あぅぅぅ……」ｼｭｳｳｳ

「あら？」

雪那がそう言うなか、エルフナインは軽くキャパオーバーしてしまう。

「……なにやってんだ？おまえら……」

そんな二人の様子に対し、後から資料を運んできた燐は呆れながらそう言う。

「それがエルフナインさんが急に顔を赤らめながら固まってしまいまして……エルフナインさん？もしもし？もしもし？」

そんな燐に対し、雪那はそう説明しながらエルフナインの両肩を軽く掴んで揺する。

が、エルフナインからはまともな反応は返ってこない。

「……ダメだこりゃ……気を失ってやがる……」

「……仕方ないですね……」

燐がそう言うなか、雪那はそう言いながらエルフナインが今、座っている椅子の隣に別の椅子を移動させてそこに座る。

その後、キャパオーバーを起こして固まったままになっているエルフナインを頭が自身の膝の上に乗るように倒れさせ、頭を撫で始める。

「エルフナインさんは以前からオーバーワーク気味だとお聞きしていましたが……ここにきて疲れが出たのでしょうか……？」

「あぁ～、多分、原因はそれだけじゃないと思うぞ？」

「？」

シュン

「ちょっと良いかしら？」

「あ。マリアさん。」

「どうした？」

「スィン博士に頼まれて、この前の戦闘データを取りにきたんだけどって……」

燐の言葉に雪那が首を傾げるなか、マリアがそう言いながら入ってくる。

「……何かあったの？」

「あぁ～、なんていうか……自覚なしの百合が咲いた。」

目の前に広がる光景に首を傾げながらそう尋ねるマリアに対し、燐は何とも言えない表情で雪那を見ながらそう答える。

「？」

「あぁ～、なるほど………」

「それで？そっちの用事は？」

「あぁ、スィン博士に頼まれて―――」