一時勤務

オペレータールーム・・・

「こっちが装者達のバイタル状況でその隣に表示されてるのは作戦区域の観測状況、でこっちは現場周辺の住民の避難状況よ。」

「なるほど………」

その頃、オペレーター服に身を包んだ明日那ポッピーは友里からワンツーワンでパソコンの画面の見方について、教わっていた。

「じゃあ、今度は一回シミュレーションして、その後、過去のデータを纏めてみましょうか。」

「はい!!」

そうして明日那は友里の指導の元、シミュレーションを始めた。

~シミュレーション終了後~

「うん。避難完了までおよそ2時間、作戦変更時の各部隊への伝達に45分、レーダーに新手が現れたことに気付いて通達するのに2分、作戦完了までの時間は4時間23分………良い方の結果ね。」

「もっと早く出来るようになった方が良いのでしょうか?」

シミュレーションした後、掛かった時間を見ながらそう言う友里に対し、明日那はそう尋ねる。

「出来ることならね………実際はパニックやらハプニングが同時に何度も起きるから、シミュレーションの時より時間が掛かるのよ………」

「確かに………前線でもパニックになって動けなくなった人を見たことがあります。」

対する友里からの言葉に明日那はかつて、所属していたCRでエグゼイドを始めとするゲーマライダー達とバグスターの戦いのなか、近くに居合わせた民間人を救助、避難させていた時のことを思い起こしながらそう言う。

「だから、民間人の避難が一番時間が掛かってしまう………でも、装者の皆が命懸けで戦ってくれているのだから、これくらいで弱音なんて言ってられないわね………」

「わかります。私もそんな人達をこの目で何度も見てきましたから……」

優しい笑顔でそう言う友里に対し、明日那も優しい笑顔でそう言う。

「それじゃあ、次は過去のデータを纏めてみましょうか。」

「はい!!」

「これが資料だよ。」

ドサッ!!

友里と明日那がそう話をするなか、藤尭がそう言いながら書類の山を明日那のデスクの上に置く。

「……多いですね……」

「まぁ、二課時代のものもあるからね……」

「それに少し前にオペレーターの一人が長期の休みを取って実家に里帰り出産することになってね……それもあって仕事が少し滞っちまったんだ……」

「なるほど……」

「正直、このタイミングでポッピーさん…明日那さんにオペレーターチームに来てくれて助かったわ。あぁ、勿論、私達も先輩としてちゃんとフォローするから。」

「わかりました……とりあえずはやってみます!!」

「無理はしないでね。困ったら遠慮なく頼って良いから。」

「はいっ!お気遣いありがとうございますっ!!」

そうして明日那は過去のデータの纏め作業に入った。
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