『SONG』、厨房・・・

カカカカカ……ッ！！

南極から帰ってきてから数日後の『SONG』の厨房にて、『SONG』の制服にMyエプロンとMy三角巾を装着したセッテはプロ並の速さでキャベツと玉ねぎを切っていき、

ジャッジャ……ッ！！

塩と胡椒で味付けした豚バラと一緒に手際よく炒める。

「んっ！……こんなもんかな……っ！！」

セッテはそう言いながら出来上がった豚バラと野菜炒めを皿に綺麗に盛りつける。

「ほぅー……っ！！」

「若いのにやるねぇ……っ！！」

「♪」ﾌｷﾌｷ

それを見て、元から食堂に勤務しているおばさん達がそう言いながら関心するなか、セッテは楽しそうに先程、使用したフライパンに付いた油汚れをキッチンペーパーでサッと拭き取る。

「さてと、次は……」

セッテはそう言いながら卵を割り、めんつゆを入れながらかき混ぜる。

ジューッ！！ジューッ！！

その後、セッテは一口ウインナーを混ぜてスクランブルエッグを作る。

「あら！こっちも美味しそうだねぇ……」

「♪」

出来上がったスクランブルエッグを皿に綺麗に盛りつけた後、セッテは今度は大根を細切りにし、味噌汁を作り始める。

「セッテちゃん……って言ったっけ？凄くお料理が上手なんだねぇ……」

「何処かで習ったのかい？」

そんななか、おばさん達がそう尋ねてくる。

「以前、知り合いの喫茶店を手伝ったことがあってその時に……」

「なるほどねぇ……」

「………」

そう答えた後、セッテは味噌汁を少しだけ小皿によそい、味を確かめる。

「うん。この腕前なら今すぐにでもお嫁さんに行けるわねぇ……」

「！？お嫁さん……ですか……」

一人のおばさんが口にした何気ない一言に、セッテは少し暗い表情をしながらそう言う。

「？セッテちゃん？」

「どうかしたかい？」

「い、いえ……なんでもないです……」

首を傾げながらそう尋ねるおばさん達に対し、セッテはそう言いながら次の作業に移った。