前世の記憶

「―――っていう訳。」

「なるほど……世界が変われば、そのような特殊なガスが存在する世界もあるのだな……」

「もしかして、あたし達もそのネビュラガスを投与すれば……」

LiNKERリンカーを打ち込む必要がなくなる……?」

「あぁ~、やめといた方が良いぞ?俺は能力チカラを使って取り込むことで無理やり適合させたけど、適合しなきゃ『スマッシュ』っていう怪物になっちまう上、最悪死ぬから。」

ネビュラガスやビルド系ライダーについての説明を聞いた風鳴司令がそう言うなか、そう言う切歌と調に対し、燐はそう説明する。

「「!?」」

「なんじゃそりゃ!?LiNKERよりも危険じゃねぇかっ!!」

「世の中そう上手い話はないって訳ね。」

「そうね。でも……」

「興味深い話ではあります……」

ネビュラガスの危険性について、クリスがそう言うなか、梨紗博士とスィン博士、エルフナインの三人はそう言いながら燐を観察する。

「……んんっ!とりあえず俺についてはこんなもんで良いだろ……言っておくけど、俺は『奏』の記憶を持ってはいるが俺は俺、御劔燐として扱って欲しい……」

「わかった……君のことはあくまで新たに発見された装者の一人として、ノゾミ君達と同じように一職員として迎えよう……構いませんよね?スィン博士、梨紗博士。」

「えぇ。勿論。」

「『SONGここ』の司令は貴方だから、貴方の決定に従うわ。」

「ところで、職員として雇ってもらうのは良いとして、私達は普段何をすれば良いのでしょうか?」

「あ。そういえば、まだ聞いてなかったね。」

燐のこれからについて、風鳴司令とスィン博士、梨紗博士の三人がそう話をするなか、雪那とセッテは首を傾げながらそう尋ねる。

「あぁ、そうだったな……通常時はポッピー君はオペレーター、セッテ君は食堂の手伝い、雪那君と燐君はエルフナイン君の手伝いをしてほしい。」

「わかりました。」

「よろしくお願いします。雪那さん、燐さん。」

「こちらこそ、よろしくお願いします。エルフナインさん。」

「よろしくぅー。っとそれとダンナ。『御劔燐として扱って欲しい』っていうのはあくまで表向きの話でこういう身内しかいない時は好きに呼んでくれて構わねぇから……翼も。」

「……あぁ、わかった。」

「……ありがとう。奏……」

「良いってことよ。」

「それでノゾミ君は……」

「彼女は私達の方に回してもらえないかしら?」

そんななか、スィン博士がそう風鳴司令に頼んでくる。

「別の世界の私達を知っているなら、私達の思考に合わせてくれそうじゃない?梨紗。」

「まぁ、別の世界の私達がどうなのかはどうでも良いけど、何も知らない人よりは頼りになるわね。」

「という訳で良いかしら?風鳴司令。」

「ふむ……ノゾミ君本人が良ければ、こちらとしては問題はないですが……」

「ありがとう。明日にでも口説いてみるわ。」

こうしてノゾミ、セッテ、雪那、ポッピー、燐の今後の方針が決まった。

「あ。因みに燐さん、記憶を失った従姉妹と一緒に私の姉と同棲してて、恋人じゃないけど恋人みたいな雰囲気で自然といちゃついてます。」

「なっ!?」

「なんだとっ!?」

「セッテっ!?」

尚、どさくさに紛れてセッテが爆弾発言カミングアウトをし、それが見事に爆発した。
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