骸を狙う者

ヴィーッ!ヴィーッ!

「翼さん!マリアさん!!」

「この警報は一体……っ!?」

艦内に警報が鳴り響くなか、翼とマリア、千景の二人と一匹とほぼ同着で司令室前まで駆けてきたセッテと雪那はそう尋ねる。

「わからないわ。私達も今、警報を聞いてきたばっかりだから……」

「そうですか……」

「ところで、ノゾミはどうした?」

「ノゾミは今、ポッピーと一緒に部屋にいてもらってます……まだ魔力が回復してませんから……」

「翼さんっ!マリアさんっ!セッテちゃんっ!雪那ちゃんっ!!」

ノゾミがいないことについて、そう尋ねる翼にセッテがそう答えるなか、響がそう言いながらクリスと共に合流してくる。

司令室・・・

「状況はっ!?」

「現在、洋上にアルカノイズの反応を検知っ!!」

「米軍空母、『トーマス・ホイットモア』が襲撃を受けていますっ!!」

その後、響やセッテ達と共に入室しながらそう尋ねる翼に対し、藤尭と友里がそう言いながら、巨大モニターに大量のアルカノイズに襲撃されている空母を映し出す。

「!?もしかして、あの船の中に……っ!!」

「あぁ……彼処あそこには米軍が回収した自動人形と『棺』、『棺』の中から発見された『聖骸』が乗せられている……っ!!」

モニターに映る空母を見ながらそう言うセッテに対し、風鳴司令は真剣な表情でそう言う。

「?セイガイ?」

「早い話が死体、ミイラですよ。セッテさん……あの『棺』の中身がわかったんですね……」

「あぁ……アルカノイズの反応を検知した直後に向こうに通信を取った際、向こうの兵士が教えてくれた………」

「……警戒待機していた切歌と調は?」

『聖骸』について、首を傾げるセッテに説明しながらそう尋ねる雪那に風鳴司令がそう答えるなか、マリアが真剣な表情でそう尋ねる。

「既に現場へ急行していますっ!!」

そんなマリアに藤尭がそう答えながら、空母に向かって飛んでいくミサイルを映し出す。

「ってミサイル撃ったんですかっ!?」

「船員の方達の避難はっ!?」

「大丈夫よ。あのミサイルは攻撃用じゃなくて移動用・・・だから……」

「「え?」」

マリアの説明にセッテと雪那の二人が思わずそう呆けた声を上げるなか、モニターの向こうではミサイルの中から飛び出す切歌と調の姿が映し出される。

「えぇっ!?」

「!?ミサイルの中から……っ!?」

ミサイル風ロケット『SONG』式の移動方法を目の当たりにして、セッテと雪那は思わずそう困惑の声を上げた。
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