罪と罰

「……何時、気付いたんですか?」

「自動人形との戦いの途中から君が左側からの反応に僅かに遅れていることから違和感は感じていた……左目が見えていないと確信を持ったのは『棺』との戦いのなか、君と連携した時、僅かにタイミングがずれていた………」

「ッ……」

「ノゾミ……君がセッテとは違って、生まれながらのサイボーグではないというのは既に聞いている……できることなら聞かせてほしい。一体何があってその身体になってしまったのか、そして、その身体になった今でも戦おうとする理由を………」

左半身が機械と化した経緯、そして、戦う理由について、翼は真剣な表情でそう尋ねる。

「ノゾミ………」

「ノゾミさん………」

「……っ、わかりました……お話します……」

対するノゾミは身体が震えるのを感じながら、自分の身に起こったこと……

自分達の故郷、『ウェズペリア』を含めた複数の世界を巻き込んだ『ジニア動乱』のこと

その動乱のなかで救いたかった筈の国を逆に滅ぼし、自分やセッテを助けてくれた恩人であり、憧れだった人を自らの手で殺めてしまったこと

二人の少女を助けようとした結果、どちらも救えずに死なせてしまったこと

そのなかで『溶原性アマゾン細胞』に感染、自身も怪物になってしまったこと

アマゾンとしての食人本能を抑えきれずに多くの人間を捕食してしまったこと

その後、一度死んで、当時は仲間だった者の“力”で右半身だけ生き返ったこと

その後の生命維持のために協力者だった医師の手によって機械の左半身を取りつけたこと等を説明した。
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