棺を護りしもの

ヘリ内・・・

「う~ん……むにゃむにゃ……未来、おかわりぃ……」

「う、ん……はい、切ちゃん……すぅ…すぅ……」

「わぁ~い……調のご飯は美味しいデェース……むにゃむにゃ……」

「三人とも、見事に熟睡してますね……」

「まぁ、あんだけの激戦の後だからな……っていうか響はともかく、調と切歌は夢でもユニゾンしてやがるのか……」

「………」

「フフ……」

先の戦いの疲労からか、三者三様の寝言を言いながら熟睡する三人を見ながら雪那とクリスがそう言うなか、自分の膝の上で大人しく寝る体勢に入る狼の頭を、翼は微笑みながら撫でる。

「その狼、妙に翼には心許してるわね……」

「あぁ、何故だかはわからんが、今は心強い味方がまた増えたことを素直に喜ぼう。」

「フフ……そうね。」

「まぁ、さっきみたいな分身や結界は暫くは使えないだろうがな………」

「それはそうとノゾミ。あなたは大丈夫かしら?」

「わ、私ですか?」

「あぁ。身体のことを考えれば、体力もかなり消耗しているのだろう?まだ本部に着くまで時間もある。少しは休んでおいた方が良い。」

「ノゾミ。膝貸してあげる。」

そんななか、セッテがそう言いながらノゾミを引き寄せ、自分の膝の上に寝かせる。

「せ、せせせせセッテ!?い、いいよ!は、恥ずかしいし、セッテだって疲れてるだろうし………///」

「大丈夫。ノゾミが我慢する方が心配だし、半身が動かないなら横になってた方が楽でしょ?」

「フフ……微笑ましいわね……」

「あぁ、そうだな……」

笑顔でそう言うセッテに膝枕してもらいながら顔を赤らめるノゾミを見ながら、笑顔でそう言いながら自分の肩に頭を預けてくるマリアに対し、翼も笑顔でそう言った・・・





『SONG』本部、指令室・・・

「藤尭、友里。ヘリの飛行状況は?」

「エンカウントは特に観測されることなく安全に帰路に着いてます。」

「このまま行けば、二時間後には本部こちらに着くかと……」

本部にて、ノゾミ達を乗せたヘリの状況について、そう尋ねる風鳴司令に対し、藤尭と友里はそう報告する。

「そうか……」

「よかったわ……」

その報告を聞いて安堵したのか、梨紗博士はそう言いながら椅子に深く座り込んだ。
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